闇の中で生きる者
見えている世界はとても真っ暗だ
光など差した事などない
声や感触は感じられるのに
皆そうなんだろうと最初は思っていた
でもそうではなかった
私だけがそうなのだと突然知らされる
初めて知った時は怒りと共に悲しみがやってきた
しかし自分ではどうしようもなかった
どうにも出来なかった
だがある日同じ世界の人がやってきた
その世界に触れた瞬間光が見えた様気がした
怒りや悲しみを持ったままではいけないのだと
出来る事をやらずただ感情に身を任せてはいけないのだと
たとえ世界が見えなくとも悲観していては人生がもったいないと思えた
とりあえず出来る事を一生懸命やる事にした
そうしている内に分かってきた事がある
見えている者も出来る事と出来ない事があるんだと
皆同じじゃないかと
それが分かった時目の前が輝いている様に見えた
見えないのではなく見えて無かったのだと
初めから世界には光が差していたのだと