プロローグ
《プロローグ》
俺の親父は出戻りの自衛官でモンスターと戦っていた。モンスターと言ってもアニメに出てくるような空想的なやつではなく所謂"鬼"だ。
鬼は実在する。童話の"桃太郎"の話は本当にあったことだと今は解る。デカイし強いしで絵本で読んだ桃太郎みたいに可愛いもんじゃない。
「こんなんじゃない、もっと強いんだぞ」
と息子に絵本の読み聞かせするときに伝えている。
横から"美人"で"可愛い"嫁は
「でも、悪い鬼だけじゃないんだよ。優しい鬼ちゃんもいるんだよ」と補足する。
「そっかぁ。じゃぁ友達になれるかな?」と息子が聞いてくる。
「鬼によりけりだなー」と俺は答える。
昔、こんなヤバい鬼に立ち向かうのに犬・猿・雉と桃太郎で鬼退治したかと考えたら凄いの一言だ。しかし、この童話"桃太郎"に出てきた犬・猿・雉は俺達の世界で知っている生き物とは違う三種族だった。(他にも沢山種類がいたしね)言ってみたら見た目は人間に近いがそれぞれ個性が強い獣人だ。嫁と生活していて《能力》にはホントに思い知らされることが多々ある。
あちらの世界には誰にでも使える魔法は存在しない。口から火を吹いたりするが………
俺は息子が産まれてから"親としての生き方"をよく考えるようになり、反面教師にはならないようにしたいと思っている。
"子供は親の背中を見て育つ"と言う人がいる。
俺は今になって親父の背中を見たいなぁと想った。まぁでも、親父の同僚?っていうのか仲間たちから小さい頃から沢山話を聞かされたから十分といえば十分なんだけど。それでも…と想う気持ちはある。
親父のハーレム人生について話を聞いていると、一人の男として羨まし……じゃなくて妬ましい。まぁいいことばかりではなかったと思うが。
このまま俺の物語を話してもいいが、初めに親父の話をした方が伝わると思う。
俺の親父"篠崎浩司"の鬼との戦いを…