熱情
鏡越しで交差する瞳 淋しいと無声音で語る
解っていたのに色鮮やかな華に目が眩んだの
金木犀の甘過ぎる香 ふとした時に頭に過る
口約束ばかりの脆い後ろ姿が瞼に焼き付いた
言葉が蝕んで逝く灯 部屋の片隅で独り歌う
雨音だけが耳に酷く固着して剥がれ落ちない
SORRY SLOWLY 汚れきった僕らの意味
ぐしゃぐしゃの幸せなんて捨てちゃった
THANK THINKS 帳の落ちた日々に諭す
めちゃくちゃな心の淵を吐き出すように
可憐で儚いあの子は今は身体を売る娼婦
左も右も分からないまま心が枯れてった
電信柱の落書きを見て呆れた季節の輪郭
口紅を甲で擦って想い出すら消してった
『黄昏れて誰そ彼てあの影はだあれ』
欠陥的なケタタマシイ叫び声
頽廃的なキモチワルイ喘ぎ声
形骸的なアイクルシイ尖り声
友情に阻まれ堕落した干渉が広がる
手を叩いて嘘を受け入れながら笑う
排他的な渦の中に自分から突っ込む
部屋の中に反響した痛々しい感情論
天蓋の向こうの煙草の匂いは何処に
限りなく地獄に近い天国への階段
青い僕らに何を説いても意味は無いのに
巡ってく感覚に交る劣情への冒涜
朱い心とは裏腹に霞んでいく想い置いて
美しさに堕ちて逝く絶望への運命
白い言の葉の歯痒い温度に嫌気が差して
あの時触れた指先に未来を重ねて
その時掠めた装飾に未練を乘せて
今日も涙に色を付けて値踏みをするの
SIKHLET SKINDEEP 突き刺す鮮烈な本質
ぐしゃぐしゃで圧倒的な重苦しい劣等人種
THEORY TIRESOME 走り出す秘密の関係
めちゃめちゃな常識的な見苦しい過激人種
いつの日に後髪を引かれ絆された言葉
手を伸ばし見放された感情を吐き出す
指切り交し右を向いて息を重く落して
重力を睨み左を向いて瞼に雨を乘せた
謝罪の窮境 劣悪な環境 私達の心境
前だけを見て進むなんて出来る筈もなく
増悪の根源 暗涙の本源 貴方の塞源
今日も今日とて濡れる頬に意味などなく
何一つ変わらない変われない想い
呑み込んだ言葉が今も胸に詰まって限界で
気付いたときには手遅れ過ぎてた
去らば果て無き名も無い燃えるような熱情
胸に空いた空洞を一体何で潰そう
なんて独り咲い暗峠夜道で呟いて
過去も未来も無ければ良かったのに