忘れられた王子
記憶を取り戻してから僕はこの状況を理解して心の底から感激していた。
異世界転生! 何よりも健康な体!
なんて素晴らしいだ。まさか本当に転生することが出来るなんて夢にも思っていなかった。しかも前世の記憶をもったままでなんて、まるで大好きだった小説のようじゃないか!
こうなったら新しい人生、次こそは最高の人生にしてみせる。 努力して努力して前世では出来なかった事をたくさんやってやる。僕は健康な体を手にしたんだ。
少し時間が経ち自分自身、落ち着いてきたので今世の記憶を整理する事にした。
僕がいる国はジルベスター王国という名前で大陸で1・2を争う領土の広さを持つ大国だ。建国してからまだ約300年と短かいがここ100年の間に急速に力をつけ領土を拡大していった。
ここ10年は領土拡大も止め、国の豊かさを求めて平和な状態が続いている。
前の世界でいう中世ヨーロッパの雰囲気である。
そして肝心な僕の今世での立場なのだがなんと、このジルベスター王国の第3王子であるみたいだ。
最初は何の冗談かと思ったよ。
家族構成が複雑で今の王である父には王妃一人側妃が二人いる。
王妃であるこの国の筆頭公爵家ベルドヘイム公爵家の長女であるコーデリア様。
二妃のエルリンデ伯爵家の次女エスメラルダ様。
三妃にして今世の母であるリディアお母様。母の家は商人の家系で先代の時に功績を認められ男爵になった家だ。王宮に侍女として行儀見習いに来ていた時にその当時王太子だった父に見初められたそうだ。
兄弟構成が兄が二人、姉が一人、妹が一人である。
王妃様の第一王子クライブ様。第一王女ノアール様
二妃の第二王子メルクリオ様。第二王女アマーリエ様。
そして第三王子である僕の名前はトーラスである。
そしてこの王宮の中での僕の立場はずばり
「忘れられた王子」であったのだった。