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Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士(ペット)として暮らしてます  作者: 銀翼のぞみ
第六章

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215話 いざ海へ

 その日の夜中――

 我輩は例のごとく家を抜け出し孤島へと向かっていた。


 む、すでにいつもの場所でエクシアが我輩を見上げておるな。

 まさか念話できるだけではなく、我輩の存在を感知することまでできるのであろうか?


「ようこそおいでくださいました。我が神、タマ様!」

「おー! 皆の者、殿がいらっしゃったでござるよ〜!」


 エクシアに続きフウカも我輩の存在に気付いたようだ。

 うむ、皆問題なくやっていたようだな。

 五人揃って元気そうに集まってきた。


「ねぇ、マスター! これを見てほしいのですわ!」


 ――どうした、ミズキ? おお! 牡蠣に……ホタテ、それにアワビまであるではないか!


「マスターに喜んでほしくて頑張って獲ってきたのですわ♪」


 ――ほう、嬉しいことを言ってくれるではないか。


「うふふ〜♪」


 ミズキ、大人びた口調とは裏腹に随分と嬉しそうな表情をするものだ。


 しかし……どういうことだ?

 アワビもホタテもこの都市で売られているのとは随分と色が違うような……

 そういえば昨日の牡蠣も驚くほど美味かった。


 ……さては大魔導士殿、何かこの孤島――というか海域ごと何かやっておるな??


「タマ様、わたくしの方からもご報告があります」


 ――む? どうした、エクシア。


「昨日反対側の浜辺を歩いておりましたところシーサイドバイソンを見つけまして、血抜きや部位別に解体を施して食べられるようにしておきました」


 ――なに!? この孤島シーサイドバイソンまでおるのか!?


 エクシアが肉とともに動物のツノのようなものを取り出してきて……

 なるほど、確かにこれはシーサイドバイソンのツノである。


 なんという都合のいい生態系をしておるのだ、この孤島……


「タマ様、よろしければまたマタタビ酒でも飲みながら肉や貝類をお召し上がりになってはいかがですか?」


 ――おお、それはいいな! ……いや、しかし昨夜のように酔い潰れるわけには。


「主人よ、少しであれば大丈夫かと」

「私もそう思うの〜」

「息抜きも大事でござる!」

「そうですわ!」


 エクシアに続き幼女眷属たちがノリノリで食事の準備を始めてしまった。

 ま、まぁ、少しだけならいいだろう……


 ◆


 ふむ、どれも実に美味であった。

 これだけの量があることだし、これらも持ち帰ってご主人たちにも食べてもらおう。


 ――それではエクシア、それに眷属たちよ、我輩はそろそろも戻るのである。


「……? タマ様、何か用があってお越しになったのでは?」


 ――いや、単純にお前たちのことが気になって様子を見にきただけだが?


「……! なんという慈悲深さ……大事なところが疼――嬉しさのあまり震えてしまいます……っ!」


 こいつ、今また何か良からぬ単語を口走ろうとしてなかったか?


「主人よ、スキルで作り出されたに過ぎない眷属の我らをそこまで……」

「な、なんだか照れてしまいますわ……」


 うお、ホムラとミズキが瞳を潤ませておる。

 フウカとチノに至っては鼻をズビズビと鳴らしておるぞ……

 またもや後ろ髪引かれる思いになってしまうではないか。


 しかし今日こそはご主人に気付かれる前に帰らなければ。

 それにこのまま居たら興奮したエクシアに何をされるかわかったものではない。


「にゃあ!」


 ――また近いうちに来る。何かあったら些細なことでもいいから念話をしてくるが良い。


 そう言って、我輩は夜空へと舞い上がる。


 ◆


 翌朝――


 我輩たちは近くの浜辺へと向かうべく都市の中を歩いていた。


「あらん? アリアちゃんたち、今日はお出かけかしらん?」


 む? この声は……


「おはようございます。アナさん! みんなで海へ泳ぎに行くんです。今日から海開きですし」


「あら〜! 素敵ねん♪」

「よかったらアナさんも一緒に来ませんか? バーベキューもする予定なので!」

「まぁ! 嬉しいわ〜! ちょうど今日は受付嬢の仕事も休みだし、せっかくだからご一緒させてもらおうかしら♪」

「わ〜い!」

「アナさんが来るならもっと楽しくて嬉しいのです〜!」


 リリとフェリが大喜びである。

 アナ殿、見た目は凄まじいインパクトではあるが本当に良いお人だ。

 嘘や邪気に過敏な妖精族の二人がここまで慕っておるのだからな。


「そうだ! それならみんなを特別な場所に案内させてもうわ♪」


 む? 特別な場所……とな?


「うふふん、とにかくついてきてちょうだい♪」


 ふむ、有無を言わさず歩き始めてしまったな。


「ふふっ、行きましょうか、タマ」

「にゃ〜ん!」


 了解だ、ご主人……っと、抱き上げられてしまった。


 相変わらずご主人の胸に抱かれると心地が良い……

 騎士としては複雑な感情ではあるが、もはや慣れてしまった。

 それにこればかりはベヒーモスの本能なのか抗い難いのである。


「アリア様、お疲れになるでしょうし、ここは私がご主人様を抱いて移動を――」

「ダメですよ、シャロさん? タマを抱っこするのは飼い主であるわたしの役得……役目です。譲るつもりはありません♡」

「むぅ……そうですか」


 シャロよ、意外と露骨に残念そうな反応をするのだな。


「(まぁ、いいです。ご主人様を誘惑するチャンスはいくらでもありますから。そのために住み込みでお仕えしてるわけですし♡)」


 小声でとんでもないこと言っておるな!?


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