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Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士(ペット)として暮らしてます  作者: 銀翼のぞみ
第六章

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200話 大魔導士からの贈りもの

 早朝――

 小鳥の囀りで我輩は目を覚ます。

 そんな我輩の体に……


 むにゅんっ。


 何やら柔らかな感触が。


「おはようございます。タマ……♡」

「にゃあ〜!」


 ご主人、また我輩を胸に包んで寝ていたのか。

 誇り高き騎士であるというのに、我輩も随分とこの目覚めに慣れてしまったものである。


 それに、猫科動物の性というべきか。

 つい無意識にご主人の頬に額をぐりぐりと。


「タマったら……もっと甘えてください♡」


 ふむ、ご主人も相変わらずであるな。


 強化魔族どもとの戦い、あれからひと月ほど経過した。

 魔族アモンと数体の魔族は撮り逃したものの、他は全て討伐することに成功した。

 王都や城も今は着々と復興が進んでいるらしい。


 我輩たちは迷宮都市リューインへと帰還し、しばらく休息を取っていた。

 だが――


「タマ、今日から冒険者稼業再開です。また一緒に頑張りましょうね!」

「にゃあ〜!」


 もちろんだ、ご主人。引き続き騎士として守り抜いてみせようぞ!


 む?

 どうやらステラたちも起きてきたようだな。


 確か今日は冒険者ギルドでヴァルカン嬢と合流。

 そのままギルドの酒場で朝食を一緒に食べてから、何かクエストを受けると言っていたな?


 皆も身支度を始めたことだ。

 我輩も毛繕いをするか。


 まずは顔から。

 ご主人の騎士たるもの、身なりは常に整えねば。


 ◆


 冒険者ギルドにて――


「んにゃ〜! アリアちゃん、みんな、おはようにゃ〜ん!」

「おはようございます。ヴァルカンさん! 今日からまたよろしくお願いします!」

「こちらこそにゃん! また良い素材を手に入れて、さらなる商売繁盛を目指すにゃん!」


 ふむ、ヴァルカン嬢も相変わらずだな。

 ここしばらく武具店の鍛冶場に篭りきりだったようだが……

 元気そうで何よりだ。


 さっそく酒場へと移動する。

 何人かの冒険者が酒盛りをしているな。

 朝から羨ましいものである。


 む? 何やら我輩たちを見てヒソヒソと話しておるな。


「おい見ろ、聖刃セイクリッド・ブレイド聖獣セイクリッド・ビーストだ」

「ああ、噂ではここ最近、魔族の大軍に襲われた極東の国を救ったそうだぞ」

「すごいよな、本物の英雄だ。……あとみんな可愛い、どうにかお近づきになれねぇかな?」

「やめとけ、あの方たち……特に聖獣・タマは四魔族が生み出した召喚獣相手に余裕で勝利を収めるような超獣だ。主人であるアリアさんに手を出そうものなら……命はないぞ」

「ひ〜! 怖ぇ……っ」


 ……なんだか、とんでもない恐れられ方をしているな?

 まぁいい、これでご主人たちに変な虫が近づくのを防げるのである。


「ふふっ、タマのおかげですね」


 む、ご主人が我輩の頭をこちょこちょと。

 ご主人の柔らかな膨らみに挟まれているだけで至福の心地良さだというのに、これはたまらん。

 思わず「ふにゃ〜……」と、騎士としてあるまじき声を漏らしてしまう。


 ――おい、タマ! 我にもそれをさせるのだ!

 ――だから下らんことで念話を送るな、ステラ。前も言ったがそういうのはご主人に許可を取るのだな。

 ――むぅ〜。タマは本当に我にはつれないのだ。まぁいいのだ、こうして一緒にいられるだけでも我は幸せなのだ。タマ、今日も大好きなのだ♡


 ……っ!?


 な、なんというか、最近ステラが奥ゆかしいというか。

 なんとも乙女といった感じの雰囲気を纏うことがあって、どうにも調子が……

 モンスターだったお前がこのように変化していくとはな。


「……タマ? なんだか浮ついてませんか??」


 ひっ!?

 そ、そんなことはないのである、ご主人!

 だからそんな氷のような視線で我輩を見つめないでくれ!


 そんなこんなで席に着き、食事を注文する。

 ある程度食事が進んだタイミングで、アナ殿がやってきた。


「みんなおはよう〜!」

「アナさん、おはようございます!」

「アリアちゃん、タマちゃん、ちょっといいかしら? 二人に渡したいものがあるんだけど♪」


 む? 我らに渡したいものだと、いったい何だろうか?

 我輩とご主人の前に何やら装飾が施された箱を差し出してきたぞ。


「開けてみて♪」

「これは、綺麗な宝石ですね……」


 箱の中身を見て目を見開くご主人。

 ふむ、どうやら我輩の方の箱の中身を同様のようだ。

 サイファイアブルーの美しい宝石が入っている。


「アナさん、これは?」

「この前の旅でセドリックちゃんが大魔導士様から贈り物があるって言ってたでしょ? これがその贈り物よん♪」


 なんと! これがあの大魔導士、生ける伝説の英雄からの……!

 いったいどのような代物なのだろうか?


「アリアちゃん、前に陛下から賜ったバトルデバイスは持っているかしら?」

「もちろん持っています。タマ、お願いします」

「にゃあ!」


 了解だ、ご主人!

 《収納スキル》でシュリ女王から賜ったバトルデバイスを机の上に。


 本当に心強い装備、だったのだが……

 今はその効果はない。


 というのも、このバトルデバイスは動力源のマナを生み出す核があるガルガンチュアでしか機能しないらしい。

 だが思い出として、シュリ女王が我輩たちに持ち帰らせてくれたのである。


「そのバトルデバイス中から好きなものにね、今渡した宝石を触れさせてみてちょうだい。そうすればどこでも使えるようになるってセドリックちゃんが言ってたわ♪」


 なっ、なんだと!?


「ど、どういうことでしょうか、アナさん……。大魔導士様がわたしたちに贈り物をしたいとおっしゃっていたのは、あの戦いがあるよりも前のはずでは……」


 ご主人の言う通りだ。

 だというのに、なぜ大魔導士殿はそのような効果を持った代物を用意することができるのだ……!?

 そもそも今回の戦いの詳細はタイムパラドックスとやらを起こさないために詳細は誰にも明かしていないはず……


「うふふんっ、大魔導士様ったら、本当にすごいわよねん♪」


 バチコン! とウィンクをするアナ殿。

 この様子ではアナ殿も詳細はわかっていない様子。


 大魔導士殿、まさか未来を見通す力でもあるのか?

 本当に凄まじい御仁である。


 それはそれとして。


「どうしましょう? 宝石は二つ、誰のバトルデバイスに使いましょうか?」


 うむ、ご主人の言う通り。

 悩みどころであるな。


「ん? そんなの決まっているのだ!」

「そうにゃ、タマちゃんとアリアちゃんがもらったんだから、二人のバトルデバイスに使うにゃん♪」


 ステラにヴァルカン嬢、あんなにも強力なバトルデバイスがまた使えるのだぞ?

 それを何の迷いもなく我輩たちに……


「私も賛成〜!」

「です〜! タマちゃんとアリアさんが使うべきです〜!」


 リリとフェリまで……

 よし、ご主人!


「そうですね、タマ。みんなの気持ち、そして期待に応えるためにわたしたちが!」

「にゃあ〜!」


 その通りだ、ご主人!

 必ずや我輩たちが皆を守ってみせようぞ!


「ああっ、これでまたタマが強く……。このままで本当に押し倒されて無理やり初めてを……っ♡」


 あー……、相変わらずのご主人である……。


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