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191話 迫り来るビキニアーマーとボンデージ

「ふむ、どうやら認証機能は残っているようじゃの?」


 何やらシュリ女王が鞭で扉をペチペチしている。

 そのまま扉に描かれた紋章のようなものをまたもや鞭で、パチーン!!


 するとどうだろうか。

 扉全体に青白い光で同じような紋章が描かれ……


 ガコンッ!


 そんな音がしたかと思えばゆっくりと扉が左右に開かれていく。


 な、なるほど……

 あの鞭、武器かと思ったら扉を開くためのマジックアイテムでもあったのだな。


 む? さっそく何やら物音が。

 あれは……リビングアーマーか。

 確かBランク帯のモンスターであったな。

 中身に核を持つのみで体自体が鎧でできているので防御力が厄介だ。


 次から次へと奥から湧いてくる。

 全部で三十体くらいだろうか?


「タマ、出し惜しみはなしです!」

「にゃあ!」


 了解だ、ご主人!

 こちらにはリリとフェリのおかげでエリクサーが潤沢にある。

 魔族アモンやリンドヴルムとの戦いも控えておるし、ヤツらがまた本格的に動き出す前に決戦兵器を手に入れたいところ。


 なので――!


「にゃあ(《イフリート・ハウリング》)!!」


 リンビングアーマー。

 奴らの弱点は炎だ。

 有無を言わさず我輩の業火を纏った咆哮で核ごと焼き尽くしてやる!


 ふむ、さすが異世界アークの炎精霊(イフリート)の加護を受けただけのことはある。

 あのリビングアーマーさえも一瞬で蒸発させてしまうとは。


「さすがですね、タマちゃん。炎精霊の力を見事に使いこなしています。私は氷精霊の力を使いこなすのにそれなりの時間がかかったというのに、大したものです」


 ふむ、勇者であるシエル嬢に褒められると少々照れてしまうな。


 だがそれを言うのであればご主人もさすがである。

 ご主人も光精霊の力をすぐさま使いこなしてみせたのだからな。


「ふふ〜! やっぱりタマはすごいわね!」

「こんなに可愛いのにとってもつよつよなのです〜!」


 何やらリリとフェリがはしゃいでおるな。

 次は自分たちの番だと言わんばかりに駆け出した……む? あれは!


「にゃん(《触手召喚》)!!」


 咄嗟にスキルを発動。

 リリとフェリを触手で捕まえ、すぐさまこちらへと引き寄せる。


 その直後、今まさにリリとフェリが立っていた場所にリビングアーマーども剣を突き出しながら落下してきたではないか。


「にゃあ(《イフリート・ハウリング》)!!」


 次の行動をする隙は与えぬ!

 このまま灰燼と化すがいい……!


「あ、危なかった〜!?」

「タマちゃんのおかげで助かったです〜!」


 ふむ、どうやらリリもフェリも無傷で済んだようだな。


「モンスターがあんな形で……それも二段構えで待ち伏せてるにゃんて、なかなかに厄介にゃん!」

「この迷宮、想像以上に危険ですね。さらに気を引き締めていきましょう」

「了解ですにゃん、シエル様!」


 ふむ、ヴァルカン嬢やシエル嬢さえも気付かなかったか。

 まぁ……二人であれば直前で対処したはずだが、それでも油断ならぬ。

 よし、我輩もより警戒を強めるとしよ――


「タ〜マ〜♡」


 む? 何やらご主人が呼んでおる……って、瞳の奥に小さなハートが浮かんでいる!?


「タマったら、ようやくまたそのスキルを見せてくれましたね! さぁ、今度こそ! その可愛い茶トラの触手でわたしをめちゃめちゃにしてくださいっ♡」


 ひ〜〜!?

 こんな場所でご主人がエロフモードに……!

 いかん、前に触手を召喚して似たようなことになったのを忘れておった!


「し、触手プレイ!? アリアよ、お主どんな性癖を……で、でも妾もちょっと興味あるのじゃ……♡」


 シュリ女王ーー!?


「あら〜! 二人とも素敵な願望を持っているじゃない♪」

「ほんとだね、アナ! 僕たちも負けてられないよ!」

「いや〜ん! セドリックちゃんったら人前でそんなこと言うなんて、情熱的ねんっ♪」


 アナ殿とセドリック殿は何を盛り上がっておるのだ!

 む? いつもならヴァルカン嬢あたりが止めに入るのだが……


「し、触手プレイ……タマちゃんだったら、まぁ……」

「わ、悪くないですね……」


 ヴァルカン嬢にシエル嬢ーーっっ!?


 お二人は最後の砦であるぞ!

 それが一体何を言っておるのだ!


「ねぇねぇ、ステラ!」

「しょくしゅぷれいってなんなのです〜?」

「リリ、フェリ、触手プレイとは、さっきタマが召喚したもので我ら女のバキューン! に触手をズキューン! して挙げ句の果てにドキューン! することなのだ! しかも触手で束縛されて抵抗もできず、たまらんのだっっ♡」


 うおぉぉぉぉぉ!?


 ステラ貴様……!

 リリとフェリに、無垢な妖精族二人に一体ナニを吹き込んでおるのだ!?


 さ、幸いにも意味は理解できなかったようなので二人して「「……??」」と、純粋な表情で首を傾げておる。


 よ、よかった……。

 あの二人、我輩の心の癒しがあっち方面に染まらずに済んだ。


「さぁ、タマ……触手でわたしを♡」

「ず、ずるいのじゃ! 妾もタマの触手で蹂躙されたいのじゃっ♡」


 ひぃぃ!?


 ご主人(ヘンタイ)だけでなくシュリ女王(ヘンタイ2)の瞳の中にまで小さなピンクのハートが……っ!


 や、やめろ!

 ビキニアーマーとボンデージスーツをパージしようとするのはやめるのだ……!!


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