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Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士(ペット)として暮らしてます  作者: 銀翼のぞみ
第四章

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149話 精霊の祝福

 ――弩轟……ッッッッ!


 誰もが犠牲を覚悟したその瞬間だった――


 大気を震わせるかのような咆哮が、天から響き渡った。


 次の瞬間、天から眩い光を帯びた紅蓮の業火が降り注ぎ、ベルフェゴールの放った無数の魔剣を消滅させた。


 いったい何が……!?


 驚愕に目を見開きながら、天を見上げるベルフェゴール。


 その視線の先には、白銀の鎧を纏い、大天使のような翼を持った純白の獅子。

 そしてその背中に、美しきエルフの少女が騎乗している。


「来たか!」


「待ってたにゃん!」


 興奮の声を上げるステラとヴァルカン。


「タマちゃん! アリアさん!」


「間に合うって信じてたわよ!」


 同じく興奮の声を上げるフェリとリリ。


 そう、天に浮かぶのは、ベヒーモス第三形態に進化したタマと、その背中に乗ったアリアだった。


「ハッ!」


 そんな声とともに、アリアがタマの上から跳躍する。

 そしてテンペストブリンガーの力を使い、ベルフェゴール目掛けて急降下する。


 精霊剣ボルティアを振るい、飛ぶ斬撃を放つベルフェゴール。


 対しアリアは――


「《スターライトブレイド》ォォォォ――ッッ!」


 裂帛の声を放ち、スキルを放つ。


 星明かりのような眩い輝きを纏った神聖なる斬撃が、ベルフェゴールの放った攻撃ごと、彼女の肩から腹を切り裂いた!


『アギャァァァァァァァ――ッッッッ!?』


 甲高い悲鳴を上げるベルフェゴール。

 あまりの激痛、そして自分の攻撃が破られた事に驚愕してしまったのだ。


「ば、馬鹿な……!」


「聖女様が攻撃を受けた……!?」


「何だ、あの獅子とエルフはッ!?」


 突然の事態に、エレボル族の戦士たちが狼狽え始める。


 アリアの放ったスキル……《スターライトブレイド》――


 それは光精霊ライトニングと契約したことにより、アリアの《セイクリッドブレイド》が進化したものだ。


 威力は今までの十倍程度だろうか……。ベルフェゴールはその場に膝をつき、目を血走らせ苦痛に耐えている。


 ――グルッ……。


 唸り声を漏らし、アリアの隣に降りてくるタマ。


 先ほど彼が放った炎の咆哮も、火精霊イフリートと契約し《フレイムハウリング》が《イフリートハウリング》へと進化したものである。


「どうやら、試練を乗り越えたようですね」


「タマちゃんもアリアお姉ちゃんもすごいの!」


「まったく……やっぱり二人ともトンデモナイね」


 シエルとマイ、それにセドリックが、タマとアリアに称賛の言葉を送る。


 そんな時だった――


『グゥ……よくもォォォォォォォォォッッッッ!』


 ――凄まじい叫び声を上げるベルフェゴール。


 その体が禍々しい紫の光と、紫電に包まれていく。


「進化するつもりですね、タマ! こちらも本気でいきますよ!」


 ――グル(了解だ、ご主人)ッッ!


 身構えるアリアとタマ。


 そして次の瞬間、ウーサルダペークラ王国の迷宮の時と同じように、ベルフェゴールはドラゴンの姿……第二形態へと変身を遂げた。


『ワタシの本気を見せてあげるわァァァッッ!』


 叫び声を上げ、背中の翼で羽ばたき宙へと舞い上がるベルフェゴール。


「タマ!」


 ――グル(任せろ)ッ!


 再びタマに騎乗するアリア。

 ベルフェゴールを追い、二人も天へと舞い上がる。


『《ボルテックイービルスルト》ッッ!』


 地上に向け、魔剣を放つベルフェゴール。


 ――《イフリートハウリング》ッッ!


 そうはさせまいと、輝く紅蓮の業火を放つタマ。

 ベルフェゴールの魔剣を全て焼き尽くすことに成功する。


 それだけではない。


 タマは大きく咆哮し、固有スキル《獅子王ノ加護》を発動する。

 自身とアリア、そして地上にいるホロ里の戦士たちに、絶大なバフ効果を与える。


「ベルフェゴールの相手はあの二人がしてくれます! 私たちは今のうちにエレボル族を討ち取ります!」


 シエルが叫ぶ。


 彼女の掛け声と、《獅子王ノ加護》により勇気づけられたホロの里の戦士たちが、一斉に攻撃を仕掛ける。


 ステラたちも武器を手に、一心不乱に攻撃を仕掛ける。

 この機を逃せば、また攻勢が逆転しかねないことを理解しているからだ。


 前衛も後衛も関係ない、総力をあげた殲滅戦が、地上で繰り広げられる。


 ――《イフリートミサイル》ッッ!


 タマがスキルを放つ。


 特大サイズの弾道がベルフェゴール目掛けて飛んでいくが、危険を察知したベルフェゴールは、飛ぶ斬撃を放ちそれを迎え撃つ。


 ドゴォォォォォォォ――――ッッッッ!


 《イフリートミサイル》が爆発を起こし、空が紅蓮の業火に染まる。


 アリアとタマが《獅子王ノ加護》が守られているが、ベルフェゴールはそうはいかない。体の至る所に大火傷を負い、苦悶の声を漏らす。


『グゥぅぅぅぅぅぅ――っっ! こうなれば……ッッ!』


 ドラゴンの巨大な顎門を開くベルフェゴール。

 顎門の中で、激しく紫電が迸る。


「ブレス攻撃ですか……タマ、これで決めますよ!」


 ――グル(了解だ、ご主人)ッ!


 短くやり取りを交わすアリアとタマ。


 そして次の瞬間、ベルフェゴールの顎門から、紫電を帯びた禍々しい色のブレス攻撃が放たれた。


 ――《イフリートハウリング》ッッ!


 タマが聖なる紅蓮の咆哮を放つ。

 ぶつかり合うブレスと咆哮。

 威力は互角……否、僅かだがタマの攻撃が押している。


『クゥッ……《ボルテックイービルスルト》ッッッ!』


 このままでは負ける!


 そう判断したベルフェゴールは、さらに無数の魔剣を放った。


「ふっ……」


 アリアが小さく笑う。


 その不敵な表情に、ベルフェゴールは思わず『……ッ!?』と息を漏らす。


 次の瞬間だった――


「スターライト……キャリバァァァァァァァァァ――――ッッッッ!」


 ――テンペストブリンガーを振り下ろすアリア。


 その剣身から、星明かりのような輝きを帯びた、聖なる光が奔流となって迸る――!


 《スターライトキャリバー》――こちらも光精霊と契約することで、《エクスキャリバー》が進化したスキルである。


 聖なる光の奔流が、タマの咆哮と合わさって、ベルフェゴールの攻撃を全て飲み込んだ。


『こ、このままではぁ……ッッ!』


 情けない声を漏らすベルフェゴール。

 すると翼を大きく動かし始める。


 ――逃すか! 《属性操作砲》……ッッ!


 ベルフェゴールが逃亡を図ろうとしていることに、タマは気づいた。


 四精霊と契約したことによって進化した、四つの《属性操作砲》を発動。


 紅蓮の業火を放つ《イフリートビット》――


 海のように済んだ水のレーザーを放つ《ウンディーネビット》――


 大気そのものを圧縮したような風の砲弾を放つ《シルフィーネビット》――


 大地の力を感じさせるとんでもない質量を持った散弾を放つ《ノームビット》――


『こ、こんなことが……この世界を手に入れる、ワタシの計画、が……ッ』


 四つの精霊の力を秘めた攻撃を受け、そんな言葉を漏らすベルフェゴール。

 そこまで言うと……その体を爆散させるのであった。


「勝ちましたね、タマ……!」


 ――グルッ!


 ベルフェゴールの体が爆散したのを見届けたところで、アリアとタマがやり取りを交わす。


 二人で地上を見下ろせば、そちらも勝敗が決したところのようだ。

 ホロの戦士たちが、勝利の雄叫びを上げているのが確認できる。


「さぁ、地上に戻りましょう!」


 ――グルッッ!


 アリアの言葉に、元気よく鳴いて地上へと降下していくタマ。


 その後ろを、五色の精霊の光が追随する。


 あまりに綺麗なその光景は、まるで精霊たちが勝利を祝福してくれているかのようだった――

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― 新着の感想 ―
[一言] 早っ!?…偽聖女ネタがほとんど回収されない内に、一気に押し切ってしまった…勿論、この場合は… 二人(1人と1匹)がメッチャ強い! …という事。まるで打○牙と雷○風を手に入れて一気に六○輪…
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