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Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士(ペット)として暮らしてます  作者: 銀翼のぞみ
第四章

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123話 ドラゴン娘と猫騎士の連携

 ステラの駆ける音で、ゴブリンたちが彼女の存在に気づく。


『人間ノ雌ダ! 捕獲シロ! 我ノ苗床ニシテヤル……ッ!』


 中央に座していたゴブリンキングが、周囲のゴブリンどもに指示を出す。


 武器を手にし、一斉にステラに殺到しようと駆け出すゴブリンども。


 しかし、それを見過ごすタマはではない。


 敵の一団を見据えると、《属性弾》が一つ――《フレイムミサイル》を発動する。


 タマの鳴き声とともに現れたそれが、駆け出したゴブリンの一団に向かって飛び出した。


 そしてその中心に着弾すると、途轍もない轟音を響かせ、敵の一団を爆散させる。


「今なのだ!」


 突如の出来事で敵が動揺した隙に、ステラがその場を跳躍した。


 そして敵の本丸――ゴブリンキングの目の前に着地すると、息を生かしてクラウソラスを振りかぶった。


『グゥゥゥ……ッ!? 何ダ、コノ力ハッッ!?』


 両手に持った大剣を交差し、ステラの斬撃を受け止めるゴブリンキング。

 人間の少女が放ったとは思えぬほど重い斬撃に、驚愕の声を漏らす。


 ゴブリンキングが攻撃されたことで、ゴブリンたちは方向転換し、ステラを囲い込むように散開し始めようとする。


「にゃん(やらさせるか)!」


 鳴き声を上げるタマ。


 そして新たに手に入れた固有スキル――《属性操作砲》を発動する。


 すると、タマの頭上に四つの光が出現した。

 光は輝きを増すと、獅子の頭を象った大砲のような形を成した。


 現れたそれらは、それぞれ紅・蒼・翠・黒と、四色のオーラのようなものを纏っている。


「にゃん(ゆけ)……ッ!」


 タマが再び鳴き声を上げると、現れたそれらは、まるで意思を持っているかのように、空中を高速移動し始めた。


(まずはコレだ! 《ウォータービット》!)


 ゴブリンキングと斬り結ぶステラ。

 その背中にナイフを持って飛びかかる数体のゴブリンを見据えるタマ。


 すると、蒼色の機動砲――《ウォータービット》が、ゴブリンどもの前に割って入る。


 そして獅子の顎門を象った砲門から、高圧縮された水のエネルギーレーザーを放ったではないか。


 《ウォータービット》は、そのままレーザーの軌道をズラし、飛びかかってきたゴブリン数体を一気に真っ二つに切り裂いた。


「にゃあ(これで終わりではないぞ、いけ! 《エーテルビット》)……ッ!」


 タマは視線を別の場所へと向ける。


 今度は反対側から槍を手にしたゴブリンどもが近づいてくる。


 そんな敵どもの前に、今度は翠色の機動砲――《エーテルビット》が高速で近づく。


 そして――


「にゃん(喰らえ)ッ!」


 ――タマが可愛らしい声で鳴くと、《エーテルビット》から圧縮された風の砲弾が連続で射出された。


 見えない風の砲弾が直撃し、次々とゴブリンどもが吹き飛ばされ、壁に叩きつけられていく。


 あまりの勢いで内臓に深いダメージを受けたのか、一体たりとも起き上がってくることはない。


「ぐははははッ! さすがはタマなのだ! これで集中して目の前の敵を倒せるのだ!」


 高笑いするステラ。


 そのままクラウソラスで、ゴブリンキングの大剣を捌くと、腕を竜化させてカラドボルグによるチャージアタックを見舞う。


『バ、馬鹿ナ……! コンナコトガ……ッ!?』


 次々に、謎の武器と思しき敵の攻撃に駆逐されていく配下たち……。


 それだけではない。


 王である自分までもが、目の前の小娘一人に圧倒され始めている……。


 その事実に、ゴブリンキングは思わず声を漏らすのだった。


『『『グギャァァァァッッ!』』』


 雄叫びを上げ、今度は後方から弓を構えたゴブリンどもが、一斉に矢を構える。


(それも無駄だ!)


 ステラの様子を見つつ、周りの状況も把握していたタマは、次の一手に出る。


 紅の機動砲――《フレイムビット》が空中を高速移動し、敵の前に現れる。


 そして、今まさに矢を放とうとしていたゴブリンどもに、その砲門から真っ赤な炎を放ったではないか。


 炎は、放たれた矢……そして敵を飲み込み、刹那のうちに灰塵と化した。


 しかしその裏で、別のゴブリンどもが動いていた。

 どうやらゴブリンメイジも混ざっていたようで、ステラに向けて一斉に杖を向けている。


「にゃあ!」


 やはり咆哮するタマ。


 すると、今度は敵どもの頭上に、黒の機動砲――《ロックビット》がとてつもない速度で移動してくる。


 そしてさらに上昇すると、その砲門から眼下の敵どもに向けて、岩の砲弾をまるで散弾のように撃ち出した。


 《ロックビット》による広範囲攻撃で、敵のゴブリンメイジたちは全て潰れることとなる。


「ふんっ! あとは雑魚どもの掃除だけなのだ!」


 タマがゴブリンメイジたちを片付けたタイミングで、ステラも一瞬の隙を突き、ゴブリンキングの胸をクラウソラスで貫いた。


 王を討伐されたことで、ゴブリンたちは逃げ出す……と思いきや、攻撃の手を止める気はないようだ。


 どうやら、今倒されたゴブリンキングは、よほど配下たちに慕われていたらしい。


 ステラはクラウソラスとカラドボルグ。

 そしてタマは、新たに手に入れた《属性操作砲》を巧みに操りながら、残った敵どもを駆逐していく。


「えっと……すごい連携力ですね……」


「というか、タマちゃん……またとんでもないスキルを使ってるんにゃけど……」


 戦いを少し離れたところから見つめながら、アリアとヴァルカンは引きつった表情を浮かべる。


 他のメンバーも唖然としてしまったのは、言うまでもあるまい――

【お知らせ】

昨日(3/13)発売のヤングアニマルにて、コスプレイヤーの伊織もえさんが本作のヒロイン、アリアのコスプレを巻頭グラビアで担当してくださいました!


素晴らしいものに仕上がっておりますので、ぜひチェックしてみてくださいませ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] タマとステラの連携。ステラは最近良い子にしてるのでこう言う活躍の場があって良かった [気になる点] ロックビットはゴブリンメイジに放ったものだったのに何故か焼き尽くされたはずのゴブリンアー…
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