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Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士(ペット)として暮らしてます  作者: 銀翼のぞみ
第一章

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10話 騎士の誓い

 翌朝――


「おはようございます。子猫ちゃん」


 一晩の眠りから覚めたベヒーモスに、エルフの少女が優しい声で呼びかける。

 寝る前と同様、彼女に抱きかかえられたままだ。


「にゃお〜」


 一声鳴くと、寝ぼけたベヒーモスは幼体の本能のまま彼女の胸に甘え出す。


 むにゅむにゅ、すりすり、ぷるんぷるん。


 まさに極楽浄土だ。


「ふふ、君は甘えんぼうさんなんですね〜。でもごめんね? お姉ちゃんそろそろ起きないといけないんです」


 そう言ってベヒーモスを抱擁から解放すると、ベッドの上から立ち上がる。


 柔らかな胸の感触とのお別れに、ベヒーモスは名残惜しさを感じるが、それは一瞬にして吹き飛んだ。


「よいしょ……っ」


 ストリップ――


 エルフの少女が純白のネグリジェを脱ぎ始めたのだ。


 そしてベヒーモスの体を昨日のように、戦慄が支配する。


 黒だ。


 エルフの少女の下着の色が黒だったのだ。

 その上、上も下も肌を覆う面積が非常に少ない。

 下に至っては、まさかの“Tバック”だった。


 大きな胸。

 キレイにくびれたウエスト。

 程よくムッチリとしたヒップラインと、そこに食い込むTバック……

 健康な男子が見れば、たまらないであろう。


(この娘……! 清楚な見た目に反し、なんと淫らな下着を……ビッチなのか? 清楚系ビッチなのか!? いいぞもっとやれッッ!!)


 ベヒーモス、大興奮である。


 そして、そんな彼の思いが届いたのか奇跡が起きた。


「ん〜〜……ッッ」


 少女が……めいっぱいに伸びをしたのだ。


 ぶるん――!!


 その拍子にメロンが揺れる。

 その揺れは、大きさからは想像もできないほどに実に軽やかだった。


(“おっぱいには夢が詰まっている”。あの言葉は本当だったのか……)


 ベヒーモスは確信する。


 続いて少女は壁にかけてあった衣服を手に取り着替えていく。


 しゅるっ……ぱちんっ。


 上着を着る音。

 ニーソを持ち上げ、肌にぶつかる音……


 目の前で繰り広げられる少女の生着替えに、ベヒーモスのベヒーモスがベヒーモスしそうになってしまう。


(そうか、この娘は昨日の口ぶりからして冒険者であったのだな)


 魅惑の生着替えを終えた少女の姿を見て、ベヒーモスはそのことを思い出す。


 下腹部まで露出した、ヘソ出しスタイルの上着。

 動きやすさを重視した極端に短いスカート。

 その下はハイブーツだ。


(しかし……下着もそうだが、なんと挑発的な冒険者衣装だろうか)


 上着が露出させているのは腹だけではい。

 少女の豊満なバストの上部分……いわゆる谷間も全開。


 そしてスカートに至っては短さのあまり。

 動くたびに柔らかそうなヒップラインが見え隠れしてしまう。


 さらに少女は腰に剣帯を巻き、ナイフを2本装備。

 最後にほどよく肉付いた左右の太ももに、ポーチのついたベルトを巻いていく。


(ふむ、大人しそうな見た目に反し前衛職か。…………前衛職!? アレ(・・)でか!?)


 少女の装備で、彼女が前衛職だということは分かった。

 しかしベヒーモスはそれに納得がいかない。


 当然だ。

 あのとんでもメロンでどうやって動き回るというのだろうか。


「よしっ、準備完了ですっ。それじゃあ子猫ちゃん。お姉ちゃんは出かけるけど、窓は開けておくから好きに出入りしていいですからね? あ、そうだ! 出かける前にミルクを用意してあげましょう。今、宿屋のおばさんからもらってきてあげますね」


 ベヒーモスの疑問をよそに、少女はそう言って部屋を出ていく。


 ミルク……


 その単語を聞いた途端。

 ベヒーモスの腹が、きゅ〜〜と可愛らしい音を上げた。


 そして少しした頃。

 少女がミルクのたっぷり入った皿を持って戻ってきた。


 ペチャペチャペチャ。


 舌で音を立て勢いよくミルクを飲むベヒーモス。


「ふふっ、お腹が空いてたんですね」


 その様子に、慈しむような視線で語りかける少女。

 ベヒーモスがミルクをある程度飲み干すと、「行ってきます」のひと言を残し出かけていった。


 部屋にぽつんと残されたベヒーモス。


(あの娘は、傷ついた我が輩の命を助けてくれた。……それだけではない。我が輩を抱き一緒に眠り、こうしてミルクも与えてくれた。先ほどの言葉から察するに、我が輩がここを離れなければ面倒をみてくれるつもりなのだろう……)


 そう思うと、彼の胸の中に暖かいものが芽生える。


(決めたぞ! 我が輩はあの娘――いや、“ご主人”に仕えるぞ! ご主人の職業は冒険者、ベヒーモスである我が輩がこっそり護衛についてまわれば、迷宮で命を落とすこともなかろう!)


 ベヒーモスは決意した。

 自分の命の恩人である少女の騎士となり、生涯をかけて守り抜くことを――


(そうと決まれば、こうしてはおれん。すぐにご主人を追いかけねば!)


 ベヒーモスは窓から飛び出した。


 自分が仕えると決めた少女の下へと向かうため。


 そして街中を駆けていくその横顔は、騎士であった前世と同じように、誇り、そして勇気に満ち溢れていた。

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