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2日目_02

 ゾンビは襲った人間が絶命するまでターゲットの血肉を喰らうが、死んだ人間には一切興味を示さない。また、ゾンビに傷つけられて死んだ人間は、三十分と経たずにゾンビへと変化する。例えゾンビから逃げきれたとしても、何らかの傷を負っていれば、その接触具合によって差はあるものの半日以内には必ずゾンビ化する。


『love or death』公式解説ブックより。



  ◇◆◇



 予想外の展開だった。

 創ちゃんの個別ルートに入るためのフラグ選択はシビアで、一つでも取りこぼすと個別エンドへは辿り着けない仕様だったから、これで街の被害が大変なことになるルートは消滅したはずだ。

 正直、高坂君の好感度が四十を超えている手応えはまったくなかったのだけども、意外と順調に攻略が進んでいたようだ。シナリオ外の行動もそうだし、もしかしたら、ゲーム開始前に築いていた関係も影響したのかもしれない。


 ちなみに好感度は、十あると『いい子』、二十で『ちょっと気になる子』、三十で『何かしらの特別な感情が芽生え』て四十に達すると『特別な女の子(恋愛未満)』として、キャラにもよるけど何かにつけ構ってもらえるようになる。


 幸先のよい二日目のスタートに足取りも軽く階段を下りていると、ブレザーのポケットの中でスマホが震えた。

 母親からの着信だった。


「もしもし、お母さん?」

『あ、繋がった! 萌! 本当に無事なのね?』

「うん、大丈夫だよ」

『今こっちでもそっちのニュースで持ち切りよ。ゾンビの映像がばんばん流れてるわ。たちの悪いドッキリみたいで、まだ信じられないんだけど、とにかく無事で安心した』


 久しぶりに聞いたお母さんの声は、焦燥感と悲愴感の入り混じった興奮気味のもので、少しだけ耳に痛かった。


「休みだったけど学校に来てたから助かったよ。高校の周りは被害もそんなにないみたいで、頼りになる先生もいるし、生徒だって二百人くらいいるから、みんなでバリケード作って見張りもして結構万全だよ。食糧もあるし」


 あまり心配をかけないように、いいことばかりを言っておく。


『そう、あなたが家に一人きりにならなくて本当によかったわ。みんなといるなら心強いわね。あっ、お父さん! やっと電話繋がったわ! 今お父さんに代わるからね』

『――もしもし、萌かい?』


 打って変わってお父さんはいつもと同じ穏やかな声音だった。


「お父さん。大変なことになっちゃって……」


 ゲームの記憶があるから、自分は精神的に落ち着いていられると思っていたのに、両親の声を聞くとクるものがあって少し心が揺らいだ。


『ああ、ニュースを見たよ。父さんたちは今から急いで日本に帰る。いつでも萌を迎えに行けるように、お祖父ちゃんの家で待機することにしたから、だから、萌は気をしっかり持って、頑張るんだよ』

「うん。頑張る」

『今、創史君は近くにいるかい?』

「ううん。別行動中」

『そうか。創史君にもよろしく伝えてくれ。彰彦さんとも連絡取って協力するようにするから――』


 彰彦さんとは創ちゃんのお父上だ。


『萌。創ちゃんから母さんにもメールが来てたんだけどね、萌は俺が守りますからって書いてあってシビれたわ。いい、創ちゃんと先生の言うことをよく聞いて、迷惑かけないようにね』

「……はい」


 父から携帯を取り上げたらしい母のテンションが若干おかしい。


『じゃあ、母さんたちもう空港へ行かなきゃ。また連絡するわね』

「うん。電話ありがとう」

『早く何もかも終わることを祈ってるよ。じゃあ、次は日本で』


 最後はお父さんに代わって電話は切れた。途中一瞬だけウルりときたけれど、創ちゃんからのメールではしゃぐ母のおかげで終わってみれば温かい気分だった。


 通話を終えた私は校舎本棟の二階に降り立つ。

 そうして、第二体育館を目指して長い廊下を歩いていると、渡り廊下の方からぞろぞろと人がやってくるのが見えた。三村先生を先頭に教師陣と、創ちゃんを含む生徒会役員の二年生メンバー、そして小田切先輩、白石先輩率いる警備班の班長たちだ。


 そのメンツと時間帯を考えて私はピンときた。これはあれだ――『サバ女』から救援要請の電話が入ったのだ。


 尊陽高校前の坂の起点には私立の女子高がある。ゲームにもお嬢様学校として登場するその高校の校名は、略称サバ女、佐梅原女学院が正式名称だ。近所ということもあって、尊陽高校(うち)とサバ女とは日頃から何かと交流があったりする。


 サバ女でも『ラブデ』と同じことが起こったのだとすれば、灰緑色の雨によってゾンビ化した数人の生徒によって、教師を含む十数人がゾンビ化し、そこへ街からのゾンビも流入してくるという悪夢のような状況に陥ったことになる。無事だった生徒は校内で散り散りになって力を合わせることもできず、各々閉じ籠った場所で眠れない夜を過ごしたのだろう。朝日によって粗方のゾンビが退却したおかげで、やっと各方面へ連絡を取ることができたといったところだ。

 現在、警察や消防への電話はまったく繋がらない。だからといってヘリによる救出の対象にもならないため、人手が多いと思われた尊陽高校にお鉢が回ってきたのだと思う。


 ゲームでは助けに行くのだ。そういうシナリオになっていたから。

 でも、実際にその場面に直面してみて、あの三村先生がそういう判断を下すだろうかと疑問が湧いた。ゾンビ発生からまだ二十四時間も経ってなくて、ヤツらの習性だって明らかになっていない状況だ。いくら運動能力の高い生徒たちを選んだとしても、リスクを考えたら派遣は難しいと思った。


 一行は、本棟西翼二階の会議室を目指しているようだ。


「おはようございます。みんなそろって、何かあったんですか?」


 私は西翼への廊下の分岐点で待ちかまえて声をかけた。


「おはよう、メグ」


 創ちゃんが立ち止まって説明してくれるようで、他の人とは挨拶だけかわす。


「サバ女から電話があって、救援を要請された。それで今からどうするか決める」

「……創ちゃん、行くの?」


 私は恐る恐る聞いた。なぜって、サバ女の救援が、最初の創ちゃんの死亡フラグと繋がっているからだ。ゲーム開始後、生徒会室でなく職員室に向かった場合、創ちゃんはサバ女救援要員として出向き、そこで帰らぬ人となる。

 どうして警備班でもない創ちゃんがサバ女に行ってしまうのか、『ラブデ』では語られなかった謎の答えを今の私は知っている。

 本当にリアルだなって思うのだけど、たぶんサバ女で助けを待つ生徒の中に、創ちゃんの元カノさんがいらっしゃるのだ。ゲームでは選択肢によって、主人公よりも元カノへの思い(未練かただの優しさかは不明)が勝ってしまうのかも。乙女ゲーじゃ詳しく描かれない訳だよ。


 創ちゃんほどの人だもの。これまで彼女が何人かいてもおかしくない。色々と私も噂を聞いたことがあったし、サバ女の現生徒会長である長内(おさない)舞由(まゆ)さんとは、去年の夏に一回創ちゃんの家で鉢合せしたことがあるから、確実にお付き合いしていたはずだった。けど、秋になって私が受験勉強に本腰を入れると、創ちゃんが毎日勉強を見てくれるようになったから、その頃には別れちゃっていたのかな? 当然、ゲーム開始時には確実にフリーだろう。

 私たちは家族ぐるみで仲の良い幼馴染同士だけども、そういえば具体的な恋愛の話はした記憶がない。


「メグ……どこに魂を飛ばしてるんだ?」

「あ、ええと、ごめんね。なんでもないよ」


 思いっきり考え込んでいた私は、慌てて意識を取り戻してごまかした。

 あまり寝ていないと思われる創ちゃんは、目元に疲労の色が見えるものの、そのお肌はスチルのようにきめ細かくすべすべだ。私と視線を合わせるために伏せられた黒曜石の瞳は、なんだか気だるげでそこはかとなく艶めいて見えた。


「ならいいけど。仮に助けに行くことになっても、俺は行かないよ」

「そっか」


 うんうん。フラグは確かにへし折ったからね。

 創ちゃんの答えに私は大満足で頷いた。


「なんだよ。嬉しそうだな」


 そう言って創ちゃんは私の両のほっぺたをむにっと摘まんだ。いやいや、創ちゃんの方が嬉しそうっていうか、なんかキラキラしてるよ。


「ひはいよ。ほーひゃん」


 創ちゃんが楽しそうなので、私は変顔になりながらも、されるがままにほっぺたを差し出した。


 しかし、主人公のメンタルってすごいな。めっちゃナチュラルにメインキャラ様とイチャついてるではないか。いくら今はおふざけモードだからって、この至近距離で超絶イケメンと対峙して耐えうるとは。

 もう、こうなったら調子こいて脇腹くすぐっちゃおうかな。今の私なら全然余裕!


「朝比奈君。そろそろ始まるわよ」


 創ちゃんへと伸ばされた私の魔の手は、姫宮先輩の声でフリーズした。

 見れば姫宮先輩が会議室から半身を覗かせて呼んでいる。


「はあ。意外と一緒に居られないものだな」

「ん? あ、そうだ。さっきお父さんとお母さんから電話が来たの。創ちゃんによろしくって」

「そうか。連絡取れてよかったよ。じゃ、行ってくる」


 創ちゃんは散々むにむにした私の頬を軽く撫でると去っていった。その後ろ姿までもが完璧で、私は創ちゃんが会議室に入るまで見送った。




 そして午前六時半。起床を促すアナウンスが流れ、八時の予定だった朝礼を七時に前倒しする旨が告げられた。

 第二体育館で寝起きしていた生徒たちは、身支度もそこそこにメインフロアに集まっていく。私も万菜ちゃんやクラスのみんなと合流してステージ前の左端に陣取った。


「みなさん。おはようございます。至急で集まってもらったのには理由があります」


 最初に挨拶したのは化学の曽根崎先生だった。


「その理由をお話しする前に、簡単に昨夜の校舎敷地内のゾンビの様子と、佐梅原市内の状況等を、まずは太田先生から報告お願いします」


 曽根崎先生が体育の太田先生にマイクを渡す。


「おはようございます。最初に警備班の活動について報告する。昨夜、校舎敷地内には、入れ替わり立ち替わりで合計三十六体のゾンビが侵入してきた。ヤツらは活発に徘徊し、出入りも激しかったため、常に敷地内に留まっていたゾンビは七、八体といったところだ。すでにアナウンスもされているが、すべてのゾンビは日の出とともに敷地内から出ていった。現在、学校周辺にゾンビの姿は見当たらない」


 市の中心部に比べればまだヌルいものだけども、三十を超えるゾンビが一挙に押し寄せたらと想像すると背筋が寒くなる。早々に、敷地の境界をバリケードで覆ってしまいたい。


「次に、佐梅原市および真北市の状況だが、自衛隊の掃討作戦が進んでいないため、昨夜から状況の好転は見られない。鉄道は運休、主な道路も事故やゾンビの影響で通行不能だ。漁港から船が出ているという噂もあるが確実ではない。現状、我々は政府や自衛隊による救出を待つ他ないと思われる。だが、今朝になって自衛隊の作戦にケチがつき始めた。自衛隊の市街地戦に反対する議員や、ゾンビに対する治療を要求する団体が現れて、それに同調する者が一定数いるそうだ」


 このくだりはゲームでもあった。

 沢山人間がいれば、そういった考えの人も出てくるのかもしれないけれど、現地にいる人間にとっては堪ったものじゃなかった。話を聞く生徒たちも寝耳に水で、唖然としたり困惑したりといった様子だ。中には苦虫を噛み潰したような表情の人もいた。こっちは命がかかっているので当たり前の反応だと思う。


 ゾンビの治療を要求する団体については、ゾンビに変貌してしまった可能性の高い人を身内に持つ人たちが中心になって活動しているのだろう。

 現実のゾンビはまだ未知の生物(?)であって、理由はともかく慎重論を唱える人たちを無碍にできないのも必然の流れか。これが映画やゲームだったら、ゾンビは化け物で人類の敵だから、何の迷いもなく駆除対象になるのにね。


「これによって、自衛隊は戦闘行動を制限される恐れがあり、この籠城生活も長引く可能性が出てきた」


 漠然とみんな予想していたことを明言されて、フロア内の空気が動揺で震えた。「早く助けて」とか、「家に帰りたい」、「家族と合流したいのに」とか、本音がぽろぽろと聞こえてくる。


「みんな、落ち着いてくれ。助けは必ず来る。生きている人間が見捨てられることは絶対にない」


 太田先生がお腹の底から絞り出すような声で懸命に言う。

 ゲームだとバッドエンドで市内一斉爆撃なんてこともあった。現実ではいくら選択を誤ったとしても、そんな非人道的なことは起こり得ないと願いたい。


「ただ、今はどこも前例のない事態に混乱していて、うまく組織が機能していない。だから、自分たちのことは自分たちで守るしかないと先生たちは考えた。よって、今日から尊陽高校は、正式に避難所として組織を立ち上げ運営していくことになった」


 フロア内がどよめくなか、太田先生はマイクを曽根崎先生に返した。 


「避難所の詳細は私から説明します。避難所の立ち上げと言っても、具体的に何をするのか。まず、運営委員会を設け、その下に各活動班を置きます。総務班や警備班、保健衛生班といったもので、みなさんには何かしらの班に所属していただくことになります。これは一部を除いて各自の希望を伺う予定です。さらに、今日の夜からは就寝場所を本棟の教室に移したいと思います。部屋割りは部活や学年をベースにすでに決めてありますが、落ち着いたら個別の変更の受け付けを検討します」


 この後も続く細々として説明を、生徒たちは一変して押し黙って聞いていた。

 みんな胸の内に思うことはあるだろうけど、ここで否やを唱えたからといって状況が変わることはなく、それを認めるしかないせいか、フロアは異様に静まりかえっていた。


「えー、活動班の希望をみなさんから募るにあたって、警備班の体制について見直しました。ゾンビの脅威にさらされている今、警備班は避難所の要とも言えます。ですが、現在の体制では圧倒的に人員が不足しています。もちろん、危険が伴う活動であることも否定できませんから、決して参加は強制しません。そこで、警備班の中での役割分担を明確にし、前衛と後衛、フォワードとバックアップというかたちに仕事内容を分けることにしました。基本、なるべくゾンビとは交戦しない方針なので、監視や装備品の作成、メンテ等を主に担当するバックアップの人員を大幅に募集したいと思ってます。女子も大歓迎です」


 昨日志願した警備班は約五十人。

 昨夜は三交代制で監視業務を行っていたらしい。侵入したゾンビすべてを個体認識して、広い敷地内を自由に彷徨うそれらの行動を追うのは骨の折れる作業だったろう。ゾンビの行動パターンがある程度分かってくれば、そこまで全力で注視する必要がなくなるので、今後は負担も軽くなる見込みだ。


「警備班の再編成については、至急行いたいと思います。なぜかと言うと、それが朝早くに集まってもらった理由でもあります。ええと、三村先生お願いします」

「ここからは、私が説明する。時間を前倒ししてみんなに集まってもらったのは、今朝早くに坂の下の佐梅原女学院から、助けを求める電話があったからだ」


 三村先生の発言に、一瞬にしてフロアはざわついた。単純に衝撃を受ける者と、籠城しているサバ女生徒の実況をネットで見たという者もいた。


「最初は丁重にお断りしようかと思ったが、警察や消防には電話が繋がらず、何体かゾンビが校内に残っているために、今も多くの生徒が閉じ込められているとのことだったので、一旦返事を保留にし、先生方や各班班長と話し合った結果、救援要請に応じることに決めた」


 サバ女の救援は、やっぱりゲームの通りになるようだ。

 ゲームではこの朝礼の内容は地の文で簡単に説明されているだけだった。果たして現実ではどんな説得がなされるのか。


「この結論に達した理由は、大きく二つある。一つは、現時点で佐梅原女学院に助けに行ける者が他にいないということ。自衛隊や警察でもない一般市民がゾンビに対抗するために一番用意しなければいけないのは、頭数だと思われる。今この地域でまとまった人員が避難しているのはここしかないだろう。無論、武器や防具も大切だが、対するゾンビの数を上回る人数を投入することで、救出対象ともども無傷で切り抜けられる確率が高くなると考える。幸いにも、ほとんどのゾンビが日の出とともに姿を消している。油断はまったくできない上、念入りに作戦を練らなければならないが、今ならば我々だけでも救出が可能と考えた」


 先生の話を聞くと、この状況で助けに行かないのは少し薄情な気さえしてくる。自分たちの安全のためとはいえ、隣人を見捨ててしまったなら、気に病む生徒も出てくるだろう。

 中心部のように百や千単位でゾンビがいるならいざ知らず、後々のことを考えれば、早めにゾンビ戦を経験しておくのは逆にメリットかもしれない。って、前線に出ない私が言うのも何様だって話だけども。


「二つ目の理由は、佐梅原女学院の確保だ。知っての通り、佐梅原女学院は私立の女子高だけあって正門と裏門以外は塀やフェンスで囲われている。校内のゾンビを排除すれば、これほど籠城にふさわしい建物はないだろう。また佐梅原女学院は私立ながら市と協定を結んで市の避難所に指定されており、あちらにも災害用の物資が備蓄されている。今後事態が長期化した場合、近隣住民の避難も視野に入れなければならない。そうなったとき、うち以外にも避難所が確保されていれば、多くの人を受け入れることができるというのが理由だ」


 リスクがあってもやるだけのことはあると、私はすんなり納得した。周りにも異議を唱える生徒はいないようだ。ただ、誰が助けに行くのだろうという、怯えや興味の混ざった空気が滲み始めていた。


「従って、これからすぐに救援部隊を結成したい。言うまでもなく志願者のみでの編成となる。学校のマイクロバスでの移動を考えているので、募集人数は二十三人だ。運転は呉林先生、現地での先陣は太田先生と佐藤先生が務める」


 先陣が教師というのは、少しでも生徒を危険から遠ざけたいという先生たちの考えだろう。体育教師の太田先生は柔道五段の猛者で、見た目もがっちりとしたパワー系。一方、アラフォーの英語教師佐藤先生はバトミントン部の顧問で、どちらかというと細身でちょっと心配になる。ちなみに瀬名先生は頭脳派タイプで攻略キャラの中では最じゃ――


「ちょっと待った」


 突然、一人の生徒が立ちあがった。

 全員の視線がフロア中央の金髪の生徒に注がれる。私も驚いて口をあんぐりと開けたまま目を見張った。

 真里谷先輩、一体何を!?


「一番手は俺がやる。暴れたい気分なんでね」


 あなたは本当に、ゲームキャラからのブレが激しすぎるよ……



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