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最初の1人
高校入試が終わって、2週間位が経った。
みんな、人気があって活気のある部活動の部室へ『入部届』を提出しに行くなか、
1人、誰も寄せつけることのない雰囲気を放つ部屋へ
なんのためらいもなく『入部届』を提出した男子生徒がいた。
彼の名前は『神田テル』
その部屋は、
入り口にかすれてほとんど読めなくなった『テニス部』の看板
部屋のなかはまるで泥棒が入った後のような散らかり様で、
食べかけ飲みかけの物や、
去年の雑誌や、
テストの答案用紙など
最後に掃除したのはいつなのかが分からない。
その中に1人椅子に腰掛けている男子生徒がいた。
テルはその男子生徒が座っている机の上に『入部届』を置いて部室をあとにした。