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99話 シルフはちょっと…頭が…


◇◇◇◇◇



さて…

リーン達一行がフィアロ国を出て、

今日で二日目の夕方になる。



目指す地はダルムという町。


フィアロのドワーフ族から借り受けた

地図を見ながら旅をしているリーン一行。


ダルムへ行く理由は…

我らが宿敵、魔王が出現したという

情報を聞きつけ、急ぎ…皆と向かう事を決意したのである。


ただ、情報元は…

今も一行の周囲をふわふわと飛んでいるシルフによるものだ。



「ちょっと頭がよろしく無いのがなぁ…難点なのだがな…」



呑気に漂うシルフに、

一抹の不安をリーンは覚えるが…


何はともあれ、行って真相を確かめねば

ならないだろう。


単なるデマだったのなら、またフィアロへ

引き返し、次の情報を待てばよいのだ。



リーンは地図を広げる。

現在地から、ダルムの町へは…まだまだ

距離が離れているようだ。


道中三日目…


フィアロ国を出て、西の荒野を歩いている。


荒野…とはいえ、平坦な地ではない。

岩と崖に囲まれた道なき荒れた地だ。


目を和ませる緑豊かな植物も、動物の類いも広大な地で見渡す限りは目に見えず…


乾燥した大地に、枯れた木が虚しく強風に煽られていた。



「ねぇ、リーン様〜?

そろそろ休憩にしません?もう陽も落ちる頃ですし?」



イルはそう言い、懇願する仔犬のような目で

リーンを振り返る。



「貴様はどうせ腹でも減ったのじゃろ?」



イルに背負われているフィアロアは、

小さな足でイルの腹を軽く蹴る。



「む!老人を背負ってるから疲れたんだよ!」



イルも負けじと言い返す。



「二人共…杖の攻撃でも先に喰らいたいのか?」



リーンは胡乱気に二人へ向き、杖を握る。



「ま、まぁまぁ…皆さま!

でも…確かにそろそろ休憩場所を探した方が

良いかもしれませんよ?

夜は寒く野獣や魔物も出てくるかもですし!」



この一行の、唯一の常識人とも言えるオセ(フィアロアに召喚された魔獣なのだが)が進言すれば、皆に異論はない。



「そうだな。早めに休むか」



今のイルやフィアロアは慣れない体での旅だ。


無理はさせられないとリーンも判断し、

休憩場所を探す事にする。



◇◇◇◇◇


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