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98話 ダルムへの旅路は波乱の予感

◇◇◇◇◇



乾燥した風が吹き抜ける。


陽はとうに傾き、黄金色の光が地平を染めていた。



「フィアロア様、しっかりフードを被って

下さいね!

まだまだ陽は強いですから」



オセは甲斐甲斐しく、強風で捲れる上がった

フィアロアのフードを戻し、しっかりと

頭に被せ直す。



「そうだぞ、フィアロア?

お前、そうで無くとも禿げてるんだし…

頭が日焼けしちゃうぞ〜?」



腹のぜい肉をタプタプ揺らし、汗ばみながら

歩くイルは、またしても余計なことを口走る。



「貴様は日焼けしてローストポークにならない事を注意でもするのじゃ!この白豚めが」



小さな、老人姿のフィアロアは、

老人と思えない機敏な動きでイルの背後から

飛び蹴りを炸裂させた。



「うわ!痛ぁ…って⁈

…あ!!

フィアロア?また背中に乗ってきて!」



怯んだイルの背中に飛び付き、

強制おんぶをするフィアロア。



「儂は疲れた!大人しく儂の乗り物になれ」


「もう…僕だって暑いし疲れてるんだけど?」



文句を言いながらも、イルはフィアロアを

おぶって行くようだ。


なんだ、かんだいって仲の良い火力コンビだ。


…地図を持ちながら、リーンは二人を横目に

見やりながら薄く口角を上げる。



古の…魔王を倒したと謳われる勇者達…

我らは、確かに…その勇者だったが、

伝説とは違っていた。


数百年前…追い詰めた魔王から痛烈な痛手を

負わされ、パーティはほぼ全滅状態となった。


異世界転生して来た聖女リーンは、そんな

パーティの危機に、苦肉の策として

仲間を封じる事で最悪の展開を回避したのだ。


…あれから数百年…


未だ仲間への封印は継続しているものの…

最近になり、

数奇な導きにより、仲間の二人とは(完全復活の形ではないが)再会する事ができた。


剣士イルは転生した姿で、

魔術士フィアロアはコピー体で…


二人共、本来の力を使うには制約があり、

昔のように簡単に、力の行使はできないが…

それでも、リーンは頼もしく思うのだ。


パーティの中の、メイン火力二人…

二人の火力だけなら、魔王の攻撃力を上回る。


…とはいえ、

魔王との戦いは、単純火力だけで勝てるほど甘くは無い。


…魔王は様々な方策を用いて戦える、

狡賢さと上手さがあった。


そこを回避し、魔王の狡猾な手段から仲間を守り、補えるのが…

他の仲間達の役割だったのだ。



「せめて、聖者でも復活すればな…

仲間に施されている、魔王の呪を解呪できる手段を知っているのかも…しれぬが…」



未だ封印の中にいる仲間達に想いを馳せる。


弱っている魔王を探すのが先か…?仲間を呪から解放させる手立てを探すのが先か…?



悩ましく思うリーンなのだった。



◇◇◇◇◇



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