91話 シルフが導く先には?
◇◇◇◇◇
「シルフか!どうした?」
リーンがシルフへ近づく。
シルフはリーンを見つけ、
嬉しそうに光りを散らす。
身振り手振り、
その小さく、愛らしい体全身を使って、
リーンに何やら伝えているらしかった。
「ふむ…
追跡していた魔王は
途中で見失ってしまったか…」
シルフは、がっくりと
肩を落として項垂れるが…
次の瞬間には、パッと
顔を上げ、慌しげに手足を振った。
「何?
見失った筈だったが…
魔王をとある街で見かけた⁉︎ 」
リーンは少し驚き、眉を上げる。
「リーン様…?」
巫山戯ていた、
イルやフィアロアも表情を引き締める。
魔王の暗躍をきっかけに…
この街は混乱を極めたのだ。
本来の力を、未だに失っている
とはいえ、こうして、人々を惑わし
混乱に陥れる存在…
やはり、魔王は倒さねばならないのだ。
リーンはシルフから話しを聞きだし、
不安気に様子を伺っていた
皆の方へ向き直る。
「魔王は…
ダルムという街に行ったらしい」
「ダルム?
うーん…どこら辺だろ?」
「少なくとも…我が国の領地内には、
そのような街は無いと思うがのぅ?」
イルとフィアロアは顔を
見合わせ互いに首を傾げる。
「ある程度なら…
戻って来た、このシルフに
道案内はできる…筈だが…
…多分、恐らく、きっと…」
リーンが胡乱気にシルフを
見ながら眉を顰める。
「リーン様?
何かシルフに問題でも?」
リーンの様子を心配し、オセも声を掛ける。
「うむ…」
リーンは言いにくそうに
目を泳がせ…渋々言葉にする。
「このシルフは…だいぶ頭が悪くてな…
ダルムとやらの、街への道のりを
覚えているか…どうか…」
シルフは能天気そうに
ふよふよ浮かんでいる。
「………… 」
一行は…
晴れた空をただ静かに
見上げるのだった。
◇◇◇◇◇




