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9話 イルが真に恐れる人物とは…



◇◇◇◇◇



…そんな時だった。



ドン!!



「痛っっ⁈ 」



受付の列に大人しく並んでいた筈の

イルだったが…

不意の衝撃に襲われ、倒れ込む。



「あ?雑魚新人が

ぼーっとしてんじゃねぇぞ?」



衝撃の原因は、

素行の悪そうな冒険者の体当たりのようだ。



「あはは!

リーダー?ど突いたりなんてしたら…

このチビデブ新人が壊れちゃうよ?」


「まだ冒険者ランク5だって!

弱すぎ!可哀想〜!」


「だってよぅ?

コイツ雑魚デブのくせに、

俺らと同じダンジョン行くって言うんだぜ?

場違い過ぎなんだよな!」



そう言って、冒険者は更にイルを蹴る。



「くっ…」



イルは、何も言い返せなかった。


…自分が、今はとてつも無く弱いのは

事実だったから…

だが…



「我の相棒が何かしたか?

喧嘩なら我が受けて立つが?」



そこへ

凛と通る声と共に少女が

イルを庇うように間に割って来た。



「リーン様!」



素行の悪い冒険者らは、この華奢な美少女を

舐め回すように見る。



「あん?女?

へへへ…いい女じゃねぇか?」



リーンは胡乱気に相手を見る。

(気持ちは分かるが、だがキモいな!)

誰にも話せない心の声を内に隠し、


リーンは毅然とした美少女を演じる。



「無礼を詫びよ!」


「あー、この女、知ってるぞ!

術者なのに、弱すぎて

術が使えない無能だって話しだ」



それは、ただの女だ…と、

彼らは、ゲラゲラとひとしきり笑う。


イルは、心中に怒りを募らせる。



『何も知らないくせに!

リーン様が何故魔力がなくなったのか…

今、皆が平和に過ごせてるのは、

リーン様のお陰なのに…』



声に出して叫びたいが…


この事は世間に知られては

いけない事となっている。


イルがぐっと唇を噛む。


しかし、そんな事も知らず

男の一人が鼻の下を伸ばし、

リーンに手を伸ばそうとする。



「ダメ!!

僕が、ぼーっとしてたのが

悪いんですよね?

誤りますから…引いて下さい!」



イルは、その危機に

慌ててリーンの前に出るが…

男に顔を強かに殴られる。



「弱ぇくせにナイト気取りかよ?」



素行の悪い冒険者の機嫌が

更に悪くなるが…



「そこの冒険者達!

ギルド建物内で何をしてるのですか!」


「ちっ、職員が来たか…行くぞ」



ギルド職員がこの騒ぎに出向けば、

素行の悪い奴らは、すぐにギルドを出た。


なんとか…不穏な状況は収るのだった。



「ふぅ…

危なかった!ギルド職員が

来てくれなかったら…どうなっていたか」



周囲の、他の冒険者らも

安堵の色をみせていた。



「止めに入りたかったけどアイツら強いから」

「最近頭角現してきたよな!

今、一番強いパーティだってさ」

「ランクも、40迄いってるらしいぜ」

「凄いよな!もう上級者に入りそうだ」



周囲も、あの素行の悪い、

だが…実力はある彼らを恐れている

ようだった。


イルは、苦笑いをしながら

受付を済ませ、さっさとギルドを出る。


イルの後に続くリーンは、

頬を膨らまし、不機嫌な様子だ。



「あんな奴ら、我が倒してやったのだ!」



と、愛用の杖を振り回すリーン。

そんな彼女を見てイルは顔を青くする。



「だ、だからですよ!」



◇◇◇◇◇


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