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88話 国王の宣言


◇◇◇◇◇




王宮へ到着した一行は、

かなり戸惑う事になる。



「お待ちしておりました!」



侍女や文官らが一列に並び伏せ、

その先には、現王やミュランダ達が

正装し、共に最敬礼の姿を

取っていたのである。



「え?え?どういう事?」



イルは驚き戸惑うが…

現王はじめ、皆…最敬礼を崩さない。



四柱を黒き者が葬った事、

それを、現王やミュランダが

一部始終見届け、

にわかには、信じられない

心地になりながらも…

一連の事象について導き出した答え…


それは、

現王といえど、軽々しく

口に出してはならない畏れ多い事なのだ。


我々では…

人智の及ばぬほど尊い方々…


現王は改めて、

一行へ深々と最敬礼をする。



仔オセは、フィアロアへ

少し目を向け、

また、フィアロアも頷く。


仔オセが、現王らの前へ出る。



「え…?オセ…様…?」



ミュランダがその姿を見て少し驚く。



「ああ、

少し色々あってな。暫くすれば、

元の姿に戻るから大丈夫だ」



そう言い、仔オセは、背筋を伸ばす。



「出迎え嬉しく思う。

我が主は、堅苦しいことを嫌う、

楽にしてよい」



仔オセのその言葉により、

緊張は解けミュランダも微笑みを浮かべる。


現王は未だ、憧憬と緊張で

ガチガチになっているようだったが。



侍女長が用意した茶を

啜りながら一息吐くリーン達。


未だ、王宮内も

騒がしい様子だが…


とにかく今は、

一連の内乱を鎮めることが優先なのだ。



「そろそろ詔勅が始まるか?」



リーンはゆったりと茶を楽しみ

ながら、窓の外を見る。


そこからは、王城のテラスから

正装した現王と、少し後ろで

控えるミュランダの姿があった。


眼下には、王の言葉を

聞こうと、多くの民衆が集まっていた。


軍の小競り合いも宮廷魔術士…


いや、元魔導軍軍士長の登場と

副軍士長の失脚で

決着が早々に着いたらしい。



未だ燻る街の瓦礫を見渡しながら

現王は腹に力を込め、声上げる。



「先ず、初めに宣言する。

私は、こうして健在であり…

退位する気はない!」



王の元気な姿を見て民衆に安堵が広がる。



「だが…

私の油断が、皆の不安を招き…

新興勢力という、不届きな

集団を蔓延らせたのだろう」


「大いなる始祖様が興し、

また、守り抜いた我が国を

新興勢力などという輩に

奪われるつもりは、毛頭無い!

必ずや、排除し糾弾する」



穏やかだった印象の現王の…

毅然とした強い口調を聞き、

民衆は息をのむ。



「そして…

此度の…

四柱の悪魔復活という

大災害において…悪魔共を退けた

存在を皆は知っているだろうか?」



民衆の脳裏に

古く馴染みのある詩歌が過ぎる。



「皆も見ただろう?

始祖様こそが、我が国の守護者なのだ!」



人々は静まり返り…

そして、一人、また一人と

泣きだす者がでる。


この国を…

今でも始祖様は守って下さっているのだ!



部屋から、そんな民衆の

光景を見ていたリーンは胡乱気に、

フィアロアを横目で覗く。



「まぁ、元凶の四柱も…

フィアロアが闇堕ちして

出現させたものなのだがな…」



そっと呟くのである。



◇◇◇◇◇


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