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86話 宮廷魔術士現れる


◇◇◇◇◇



「ふむ、

吹き飛んだ輩共は…大体回収できたな」



リーンがその華奢な体に

似合わず、大男を担ぎ上げていた。


気絶している者、

怪我をしている者もいるようだが

とりあえず、逃げぬよう拘束する。



「ひ、ひいぃ…お、お、お助け…」 



そこには、当然

新興勢力に加担した

魔導軍副軍士長の姿もあるが…


フィアロアの絶大な力…

その覇気に圧倒され…

完全に戦意喪失していた。



「さて…

此奴らを城まで連行して

軍に引き渡すとして…

果たして現在、

軍の機関がまともに動いて

いるかどうか…だな」



リーンは拘束した

輩共を前にし、やや、持て余す。 



「軍同士の衝突現場では、

まだ、戦闘は続いているよう

ですね…

若干は鎮静化もしたようですが」



リーンの肩に乗りながら

仔オセは耳を動かし、

卓越した聴覚で状況を

読み取っているようだ。



「軍がこれでは、

民の統率や保護もままならぬのぅ

いっそ、我が魔法で軍ごと

焼き払っとけば良かったかの?」


「やめろ!この禿げ!」



先ほどまでの、黒髪の青年から

禿爺に変わったフィアロアの頭部を

ペチリと叩くイル。



「誰が禿げじゃ!」


「お前だよ!」



漫才がまた始まった二人を捨て置いて、

リーンが仔オセと

打ち合わせしようとしていた時…



「リーン…様…」



背後から、怖ず怖ずとした

控えめな声がした。


その声の主は

車椅子に座り、数人の者を

従わせた男だった。



「あ!!宮廷魔術士⁈ 」



イルは一瞬、身構えるが…

彼らに害意がないのはすぐに分かった。



フィアロア達と再会する前、

リーンとイルが

ブレイブダンジョン、禁忌の

最奥にて対峙した

因縁の相手だったが…


四肢に大怪我を負い、

また、国からも罪を問われ

蟄居を命じられていた筈だったが…



「未だ蟄居を命じられている身、

勝手に外出すれば、

更なる罪を科せられる事は

覚悟しております」 



と、宮廷魔術士は神妙な表情で言う。



「しかし…

此度の内乱を…どうしても

安全な場所で静観しておれず…

我らにも…

どうか…どうか

働くことを許しては頂けないでしょうか?」 



そう、一息に話し

宮廷魔術士一同は頭を下げる。


しかし、困ったのはリーンだ。



「とは、いえ…

我らは王家の人間ではないのだ、

その決定権を持ち合わせては…」


「この者らが、勝手に

動いた…という事にすれば良いのじゃ!

あと、儂が許す!」



困り顔のリーンの横から

飄々とフィアロアは言って退ける。


これには、仔オセも苦笑い

(獣姿だから表情は見え辛いが)

するしか無かった。



「始祖様がそう言えば…

この国の者は誰も逆らえないのですよ…」



◇◇◇◇◇


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