表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/122

82話 フィアロアとイル【挿絵付き】


◇◇◇◇◇



ーー蠢く闇の亡者、魂を斬り裂く死神、

地獄の底から這い出る魔神、魔の地、

闇の空、黒き時より出し黒き暁よ、

暗黒の眷属を率い燦ざめく黎明を焼けーー



詠唱しているフィアロアの

周囲から一際激しく畝り狂うような

闇の魔素が集結する。



「あ…あれ…

あの闇の呪文は…何??」



王宮のミュランダも余りの圧と、

闇の恐怖に無意識に震えていた。 



「古代の文献でさえ…見たことがない…!!

そもそも…今の世界で…

闇魔法なぞ、人間がそれを扱える事例すら…」



現王ですら血の気が失せ、

あり得ないような

現象と光景に絶句するしかなかった。




この呪文を唯一知っているのは、当然…



「フィアロアの最大最強闇呪文だな…

ふーむ…どうするか…」


「呑気に考えてる暇ないですよ!リーン様!」



イルは剣を引き抜く。



「っったく!アイツはーー!!」



フィアロアの最大最強闇魔法…

発動すれば、間違いなく

王都は一瞬で消滅する。


しかし、リーンは…

密かに口角を上げていた。


なぜなら…


イルがペンダントを使ったからだ。



ペンダントが発光する…

と、同時に黎明を告げる暁のような

光がイルを包み込む。


イルの姿が変化する。


白金の髪を靡かせた

彫刻のように美しい美丈夫となる。


無駄のない筋肉が美しい腕には

変わった形の長剣が握られている。


イルは光をその身に纏いながら

高く跳躍する。



と、その直後…



ーー暗黒暁堕照ーー



フィアロアの呪文が発動した。



◇◇◇



闇に侵蝕されるが如き

黒き魔素に身を包み込んだ

フィアロアが…


自身の最大最強呪文を解き放つ…


それは暗黒の暁のように

広がり世界を闇で染めていく


と、


広がり始めた闇が時を止める


いや、

燦々と煌めく光が

闇の侵蝕を止めていたのだ。



挿絵(By みてみん)



「…っの、バカがあぁぁぁ!!」



その光は…

イルが全身全霊を駆使し放った

眩い光速の剣撃であった。



「…?!…」



フィアロアは目を瞠る。


闇の魔法と、光の剣撃は…


ぶつかり、激しくせめぎ合い…

そして…



相殺し…消滅した。



キョトンとした顔でフィアロアが呟く。



「この…脳筋バカが」



イルは、跳躍した勢いのまま

フィアロアに近づく。


青い瞳と、赤い瞳が交差する。


フィアロアは…


満足気に笑う。



「止めてくれるとは思ったのじゃ」



己は…

大抵の人間からは恐怖や畏怖の対象だった。


それは…

今に始まった事ではない。 


国を興した時でさえ…

自分は恐れられ、

また、自分に敵う者などいなかった。


けれど、

リーン様と出会い、仲間と出会い…


フィアロアには新しい気持ちが

芽生えていた。 



自分は、独りではない…



自分よりも強い仲間がいた。

自分を抑えてくれる仲間がいた。


それは…

フィアロアにとって、

何よりも大切な宝となった。


眼中の光に満ちた男を見る。



我が友よ…



だが、次の瞬間、

イルはフィアロアに近づき…



思い切り頭突きする。



「当たり前だろ!!

友の暴走止めるのは…僕の役目だよ!!」



「痛ぁぁ!!」




◇◇◇◇◇


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ