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76話 フィアロアの頼み


◇◇◇◇◇



「ムカつくなぁ…今、

それどころじゃないってのに!」



今、ペンダントを使うべきか…?

イルは途方に暮れる。


いや、やはり…

この王都の人々の為にも、

ペンダントの力は四柱攻撃に使うべきだ…


理性で必死に、そう言い聞かせるが…


いつまで耐えられるか…

イルの腕の中で

怒りに身を震えさせている

フィアロアと同じく…



「王宮へ入って…地下へ行くと?

…貴様ら…どれだけ不敬を働けば…」 



しかし、イル達と違い…

オセは既に怒りの限界だった。


この上等な衣服を纏った男には

見覚えがあった。

王立魔導軍、副軍士長…だった筈だ。


この度の軍を分かつクーデターを

起こした張本人だ!


新興勢力の一味に入り…

国を裏切った輩!!


リーン様、老フィアロア様に

危害を与えんとし…

王家の者を傷付けるだけでは足りず…



地下で眠る

我が最愛の主に寄り付こうなどとは…!!!



オセは、怒りと悲しみに

魔属性の黒い気を発散させた。


オセの黒い爪が鋭く伸びる。

オセのしなやかな体が

跳躍をしようとした時…



しわがれた、冷たい声が聞こえた。



「オセ…頼みがある」



フィアロアは…


静かにオセに歩み寄る。




「な、なんだ?

このジジイ!動くなよ⁈」

「いや、最初に殺してやるか」


輩の怒声が上がるが…

何故か、輩達は動けなかった。

老人の気迫に…呑まれていた。


ど突けば吹き飛ぶ、

こんな弱々しい爺に…

何故、気圧されるのか?


静かにオセに歩み寄ったフィアロアは…



「オセ、生命エネルギーを…

全て儂に寄越してくれぬか?」



「!!!」



リーンとイルは、その言葉に耳を疑う。


生命エネルギーを…全て?


それは…

それは、オセにとって…!



「フィアロア?

そんな事をすれば、オセが…」



堪らずリーンは口を挟む。



「おい、女!じっとしていろ!」



リーンの腕を掴んでいた輩だったが…



「黙ってろ、今、取り込み中だ!」



リーンは淡々とした表情で

輩の腹を肘で突く。



「グハァ…⁈ 」



その一撃で輩は腹を抑えながら倒れ、

意識を失っていた。


これが、レベル999上限突破

レベルが高過ぎて腕力まで

上がってしまった聖女の…成れの果てだ。



「あー…リーン様、僕らが助けるまでも

無かったかぁ…やっぱり」



イルは、自業自得だと

倒れた輩を見下ろしながらも…


リーンの肘突きの恐怖を

目の当たりにするのだった。


いやいや!


とりあえず、今はそんなことよりも…

イルは視線をリーンから

フィアロア達に向き直し、叫ぶ。


「フィアロア!

考え直せ!リーン様は大丈夫だ!

オセちゃんを犠牲にするなんて…

早まるな!」



「いえ…まだ四柱の問題がありますから」



そう、イルに返してオセは微笑んだ。




◇◇◇◇◇


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