表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/124

68話 私の愛おしい子


◇◇◇◇◇



オセは民衆の声に鋭く振り返る。


唇がワナワナと小刻みに震える。

今にも何かを叫び出しそうだった。



「落ち着けオセ!我らも広場へ行くぞ!」



リーンの声で踏み止まるオセだったが、

民衆に気遣う余裕はなくなっていた。


通り行く民衆を無理に押し分け、

我武者羅に広場へ走る…


嘘であって欲しい

間違いではないか?きっとそうだ…

だが…あの子の身に何かあったら…?


オセは走りながら涙が滲み出ていた。 


赤子の頃から見守ってきた。

優しく、勤勉で素直な子…


真っ直ぐに覗き込んでくる

瞳は敬愛する主の血族の色…


主ほどの鮮明な赤ではないが

愛おしい、赤い瞳だった。



広場が近づくにつれ、

人が群れ集まり中心部が見えない。


それでもオセは、必死で

人を掻き分ける。


もう少ししたら、人垣から

中心部が見えそうになった時…


新興勢力の者だろう男の叫び声が

人々を黙らせていく。



「この国には新しい力が必要だ!

今日!王家の血を生贄に封じられていた

守護者様を解放し…

大いなる力の元、新しい国家樹立を

果たしていく!」



人垣を作る民衆は歓声を上げる。

そして更に新興勢力の者は叫ぶ。



「守護者様復活への解呪の陣には

王家の血が必要だった!

しかし、今ここに、それは用意された!

守護者様復活と同時に

王家の血筋最期の日が来たのだ!」



響めく民衆を掻き分け、

オセが広場中央で見たものは…


木の柱に磔にされたミュランダの姿だった。



◇◇◇◇◇


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ