67話 守護者復活の儀式
◇◇◇◇◇
「おお!オセか!
して、ミュランダは見つかったか?」
駆け寄るオセは
リーンの問いに力無く首を振る。
「いえ…まだ…
ですが、捜索途中で不穏な
情報が入ったので
急ぎ皆さまにお知らせしなくては、と」
「不穏な情報?」
イルも眉を顰める。
「この度の一連の暴動は…
どうも…新興勢力とやらが
扇動したらしいのですが…」
今しがた、リーンに殴られ
のびている連中の事だろう。
「その者らがどうした?」
「今日…広場にて、守護者復活の儀式を
執り行うと…噂がでているのです」
「守護者復活…?なんの事だろ?」
首を捻るイルに、オセは苦々しく答える。
「この王都の四方を囲む
巨大な石像…人々はいつしか
それの存在を都を守る守護者として
考えるようになったみたいです」
所謂、四柱…
巨大で禍々しい悪魔を形どった石像だ。
かつて、闇落ちしたフィアロアが
街を襲わせる為、召喚した悪魔共を…
リーンが石化して封じたものだ。
昔の人々は恐れていたが…
しかし…今は、曲解され、
都を守る守護者の像として
一部の民からは、信仰さえ
されるようになったらしい。
事実を知らぬ者達は…信仰を続け
長い魔導研究の結果…
この四柱は、本物の守護者が
石化されたのだと解析されていた。
つまり、封じられている
守護者を復活させれば…
この不安定な世の中から
救ってくれる…と、信仰されているのだ。
「信仰とは…奇怪だな。
あれは、我が封じたものなのだが…」
恐らく…これも魔王が
仕組んだ洗脳なのだろう。
四柱が復活すれば、絶大な力が手に入る…
この力さえあれば、
不安定な王家など蹴散らし、
自分らが国を支配できるだろう…と。
恐らく魔王は国民へ吹き込んだのだ。
リーンは眉間に皺を寄せる。
制御もできない力を
解放させ…誰に利がある?
国を崩壊へ導くだけだ…
まさに魔王の思うつぼ
オセもまた、苦々しく呟く。
「そもそも、どうやって解呪する気なのだ…」
言いかけたオセを遮るかのように、
民衆の騒がしい声が一行に衝撃を与える。
「儀式の生贄が連れて来られたぞ!」
「おお!守護者解呪の為の儀式か!」
「女の子だ!広場で磔にされてる」
「なんでも王家の血筋の者だとか⁉︎」
「…!!!…」
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