59話 王宮へ
◇◇◇◇◇
王が倒れて意識が戻らない…
という報は街中に行き届き、
次期王位継承者も不在な事もあり、
民衆の不安はピークに達した時…
路地裏で燻っていた
反乱分子らは、行動を起こした。
「この国は終わりだ!
新たな新国家を作るんだ!」
反乱分子は口々に叫び、
街を破壊していった。
始めは困惑していた民衆だったが…
やがて噂が飛び交う。
「既に大臣ら重鎮の半数は
新国家樹立に動いてるぞ!
今、支持した方が優位な立場になれる」
そんな噂を流し、
冷静な判断が出来ない民衆を
反乱分子への支持へ流れさせていた。
「くっ…
この中に噂を流し、混乱を招いた
張本人…恐らく魔王がいるはずだ」
「けど、こんな混乱の中じゃ…
そう探せないよ!」
イルの言う事も確かだ。
先ずは一つずつ、
片付けなければ、ならない事がある。
◇◇◇
「オセ、キサマは
ミュランダの捜査に当たれ!
我らは、先に王の体を元に戻す」
「解呪が…
魂を繋ぎ留める方法が見つかったのですか⁈」
オセは少し顔を明るくする。
「うむ…まぁ、正しくは解呪では
ないのだが…
とりあえず体に魂は戻せそうだ」
「良かった…!
王の健在をアピールできれば…
暴動も収まるかもしれない…!」
ここまで混乱した事態だ…
王が元気な姿を見せたとて、
すぐに鎮静するとは思えないが…
しかし、抑制力は増すはずだ。
更に…
王の娘であるミュランダの存在を
民衆に開示できれば…
世継ぎの不安もなくなるのだが…
そこは、王とミュランダの間の問題が
あるのだが…
とにかく、
先ずは行方不明のミュランダと
昏倒中の王の救出だ。
オセは雑踏の中へ
ミュランダを探しに行き、
リーンとイル、フィアロアは王宮へと急いだ。
道中、イルは首を傾げ呟いた。
「民衆の暴動なら…
何故…王立軍が出てきて鎮静させないんだろ?」
そんな問いに、
フィアロアは苦々しい口調で返す。
「見ろ、王宮の近く…
大臣クラスの人間まで
新興勢力に加担してるとなると…」
王宮の周囲は…
街中の暴動よりも更に熾烈だった。
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