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56話 遠くから呼ぶ声


◇◇◇◇◇



「もう既に夜半は過ぎています…

どうぞ集落で一夜、お泊まり下さい」



長老の計らいで宴が用意され

少し前に出された食事よりも

更に豪勢な食事と酒が振舞われた。



「フィアロア!この肉美味いぞ!

あ、果物切ってやろうか?」

「イル、口の周り汚いぞ!

少しは拭いたらどうじゃ」

「んー!自分で拭くよう」



食事を満喫している

イルとフィアロアを目を細めて見守る長老は…



「いやはや、勇者様方は仲がよろしいですなぁ

まるで兄弟か夫婦のようだ」



孫を見るような眼差しで

目元が緩む長老の呟きを聞いて、

リーンは思わず吹き出しそうに

なるのを必死で堪える。



「このような、心尽くしのもてなし…感謝する。

しかし、負担にならないか?

我らはまだ、何も貢献できていないのだが…」


「とんでもありませぬ!

我らドワーフは、勇者様に

多くの場面で今まで助けて頂きました!

今日、ドワーフが生き延びて

いるのも…貴方様方のお陰です!


それに…祖先のドワーフ大頭領である

ドューイ様の遺言にも

手厚く歓迎せよと、言付けされていますから」


「そうか…」



リーンは少し申し訳無さそうに

眉を下げつつも嬉しそうに頷く。


ドューイ…

奴も今は、水晶に封じられているが…


魔王戦前に…

このような準備をしていたのだな…


と、彼の姿をリーンは

瞼の裏に思い出すのだった。



◇◇◇



三人は長老からの厚意を

有り難く受け、一泊させて貰った。


客人用の部屋は地下であるにも

かかわらず、広々としていて

家具や調度品もドワーフ製の

緻密な彫りが美しい代物で都市にある

上流ホテルを思わせる快適さだった。


ふかふかなベッドに横になれば、

ドューイ製保管庫ダンジョンでの

理不尽な疲れなど、

一気に癒されて深い眠りに就く。


隣りの部屋のリーンは

静かな寝息をたて、


フカフカのダブルベッドで安眠し、

寝返ったイルだったが顔面に蹴りを

入れられ…

夢から意識が戻ってしまう。


まだ、日の出まで遠いだろう…


朝が早い小鳥達ですら

起き出して鳴いていないのだ、


イルは二度寝を決め込み

もう一度目を閉じるが…


遠くから呼ぶ声がする気がした…



◇◇◇◇◇


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