54話 脳筋バカなら壊してみろバーカ
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カシャリ…
扉に埋め込まれた水晶玉のようなガラスが
一瞬光り、カシャリ…と軽い機械音がした。
と、同時に
扉全体からも何かがガラガラと
巡るような機械音がし…
やがて扉は開く。
「扉が開いた!どうなってんだ??
何が正解だったんだ?」
イルは意味が分からず首を傾げるが…
リーンは胡乱気な目をしたまま呟く。
「ふん…こんなもの見て喜ぶとは…
もっと見せてやってもいいのだがな?」
リーンは自分のスカートに手を伸ばすも…
横からフィアロアが無言でその手を軽く叩く。
「…むう?」
フィアロアは呆れたようなため息を吐き、さっさと先へ進む。
「ええ?何なに?…どういう事〜?」
未だ読めないイルだけが、首を捻る。
「ふん、
貴様は情緒というのが解らぬようじゃのぅ…
男のロマンというものが」
フィアロアは上機嫌で扉を潜っていく。
「ロマンか?…全く我には分からぬなぁ…」
リーンは胡乱気な目をしながら、ドゥーイが喜ぶ意味も、男のロマンというものも理解できず…
深いため息を吐くのだった。
◇◇◇
扉を潜った先は…次の迷路…
ではなかった。
少し広めの空間の先には
まるで、扉を塞ぐかのような巨大な岩が
行手を阻んでいた。
その横手には看板が貼り付けてあり…
【脳筋バカなら壊してみろバーカ】
と、またも挑発的な文章が記されていた。
「ふむ…ペンダントは使うなよ?我が杖で岩を…」
リーンが言いかけたが…
「はあぁぁ?この…陰キャドューイがぁぁ!
誰が脳筋だよ⁈ ふざけやがって!やってやるよー!」
頭に血が昇ったイルが
リーンの言葉も聞かずにペンダントを使った!
「手加減手加減手加減ー!」
呪文のようにイルは叫び、
剣を使用せず、拳を岩に叩き込む。
イルの機転が功を奏したか…
イルのエネルギーは岩だけを貫き収束する。
「やった!手加減できたぞー!」
周囲を破壊せず、岩だけを壊せたのは、よかったが…
しかし…
壊れた岩の中から
巨大な人影が姿を現したのだった!
「え?え?…ちょ…聞いてないんですけど〜⁈ 」
「バカだな?さすが脳筋じゃ」
「脳筋というより、ただの阿保だな…」
フィアロアとリーンから呆れられ…
今日の分のペンダントの能力を使い果たしたイルは
燃え尽きたように、頭が真っ白になるのだった。
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