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54話 脳筋バカなら壊してみろバーカ


◇◇◇◇◇



カシャリ…



扉に埋め込まれた水晶玉のようなガラスが

一瞬光り、カシャリ…と軽い機械音がした。


と、同時に

扉全体からも何かがガラガラと

巡るような機械音がし…


やがて扉は開く。



「扉が開いた!どうなってんだ??

何が正解だったんだ?」



イルは意味が分からず首を傾げるが…

リーンは胡乱気な目をしたまま呟く。



「ふん…こんなもの見て喜ぶとは…

もっと見せてやってもいいのだがな?」



リーンは自分のスカートに手を伸ばすも…

横からフィアロアが無言でその手を軽く叩く。



「…むう?」



フィアロアは呆れたようなため息を吐き、さっさと先へ進む。



「ええ?何なに?…どういう事〜?」



未だ読めないイルだけが、首を捻る。



「ふん、

貴様は情緒というのが解らぬようじゃのぅ…

男のロマンというものが」



フィアロアは上機嫌で扉を潜っていく。



「ロマンか?…全く我には分からぬなぁ…」



リーンは胡乱気な目をしながら、ドゥーイが喜ぶ意味も、男のロマンというものも理解できず…

深いため息を吐くのだった。



◇◇◇



扉を潜った先は…次の迷路…

ではなかった。


少し広めの空間の先には

まるで、扉を塞ぐかのような巨大な岩が

行手を阻んでいた。


その横手には看板が貼り付けてあり…



【脳筋バカなら壊してみろバーカ】



と、またも挑発的な文章が記されていた。



「ふむ…ペンダントは使うなよ?我が杖で岩を…」



リーンが言いかけたが…



「はあぁぁ?この…陰キャドューイがぁぁ!

誰が脳筋だよ⁈ ふざけやがって!やってやるよー!」



頭に血が昇ったイルが

リーンの言葉も聞かずにペンダントを使った!



「手加減手加減手加減ー!」



呪文のようにイルは叫び、

剣を使用せず、拳を岩に叩き込む。


イルの機転が功を奏したか…

イルのエネルギーは岩だけを貫き収束する。



「やった!手加減できたぞー!」



周囲を破壊せず、岩だけを壊せたのは、よかったが…


しかし…


壊れた岩の中から

巨大な人影が姿を現したのだった!



「え?え?…ちょ…聞いてないんですけど〜⁈ 」


「バカだな?さすが脳筋じゃ」


「脳筋というより、ただの阿保だな…」



フィアロアとリーンから呆れられ…


今日の分のペンダントの能力を使い果たしたイルは

燃え尽きたように、頭が真っ白になるのだった。



◇◇◇◇◇


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