5話 肉体派聖女は旅に出る
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「ちょっと、やらかしたか…?」
聖女となった俺は、徹底的に鍛える為
森に長い間潜伏していた。
前世での密林潜伏の経験を活かし、
木と葉で寝床を作り、ついでに簡素な武器も作る。
最初の鍛錬は、筋肉を付ける為と、食糧確保も
兼ねた形で狩りに挑戦していく。
実際のところ…水や食事を取らなくても
最悪死ぬ事は無さそうだが…
食べなければ、腹も減るし、活動エネルギーも
無くなるのだ。
…こうして、先ずは小動物…鳥やウサギなどを
狩りながら、鍛錬を続けていく。
まぁ、やってる事はサバイバル原始人的な
ものなのだが…
果たしてうら若き聖女がそんなことやってて
良いのかどうか…
考えそうになる自分を遮断するのが日課となった。
筋力が付いてからは、狩り以外にも
訓練メニューを追加していく。
つい、忘れそうになるが…一応自分は、聖女なのだ。
気を高め、呪術の底上げもやっていく。
そうして努力していく度に、ステータス画面には
経験値という項目に数値が加算されていき、
一定数を超えると、レベルが上がっていくのだった。
その見た目で分かるステータス画面の仕様が
楽しくなっていき…
時間を忘れて没頭していった結果…
「ちょっと…やらかしたか?」
日々鍛錬の成果で、レベルはMAX値
999迄上がり、魔力も5000迄いっていた。
魔法研究も捗り…どうやら自分の魔法は
結界や防御シールドを作るのを得意とした
補助魔法がメインだと悟る。
「これなら、姿は華奢だが…
タンクとしてパーティへのヘイトを
己に向けさせる戦法も良いな」
…などと、上々の仕上がりだったのだが…
極めようと、訓練し続けてしまったら…
あっという間に二万年くらい経過して
しまっていたらしい。
「魔王はまだ…自身が創った魔界という
空間内に潜んでいるらしいから…
まだ手遅れではないか」
自分が生み出した魔王の気配は
何となく察知できる。
遅れを取らぬよう、
急ぎで人間達の暮らす村へ降り、旅の準備をする。
「二万年振りの人との交流か…大丈夫か?自分?」
魔王よりも、そっちのが少しだけ
怖い気がする…
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