48話 ドワーフ集落へ
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シルフの後を追い、
少し走った先に背の低い人影が見えた。
大荷物を背負い、道なき平原を
スタスタと歩く影にリーンは声を掛ける。
「そこのドワーフ!
ちょっと話しを聞いてはくれないか?」
走りながら、呼び止めれば
ドワーフの足は止まり振り返る。
「ほえ?オレを呼んだかえ?」
間延びした声の主は
豊かな顎ひげを胸まで伸ばし
かなり小柄だが、がっしりとした
腕や足の筋肉でその勇猛さが伺える…
所謂イメージ通りな、ドワーフ族の男だった。
「呼び止めてすまない。
ちと、急ぎの用があるのだ…
少し話しを聞いてくれないだろうか?」
「こんな別嬪さんに
声かけられちゃ、断る訳にもいかんだよ!
…とはいえ、もう少しで日没だぁ…」
ドワーフの男は少し考えた後…
「うむ、仕方ないべや、集落に招待すんべか」
ドワーフの男はもうすぐそこに
集落があると言う。
追い付いたイルが辺りを
見渡しても建物など
見当たらないのだが…
「オレらの集落はこの地下にあるだよ」
と、指差す先には地面に扉ができていた。
「ふむ、なるほど
こんな地面に入り口があっても
見逃してしまう訳じゃ」
フィアロアもドワーフの集落が
中々発見されない理由に関心を示した。
「なるべく、ここの事は
他言しないでくれや…
オレらは静かに暮らしたいだけなんよ」
「うむ、約束しよう」
地下への通路を歩きながら
リーンは神妙に頷く。
少し歩けば、パッと視界が開け
土を削ってできた大きな空間にでた。
そこにはドワーフ族が何人か
談話していたり、何か作業などもしており…
恐らく集合スペースのような
場所なのだろう。
この空間の先にも複数の
通路が東西南北通っており…
集落の規模も中々に大きそうだった。
「蟻の巣のようだね」
イルも興味深いとキョロキョロと
見渡している。
先導してくれた、
先ほどのドワーフの男は、
広い空間の中心辺りに座っている何人かの
ドワーフの元へ行き、
事情を話しいるようだった。
「ど、どうしよう?
もし歓迎されて無かったら…」
弱気なことを言うイルを
リーンは胡乱気に見て…
「何かあってもペンダントは
ここでは使うなよ?」
と、一応釘を刺しておく。
「ははは!やだなぁリーン様!
こんな地下で剣なんて振う訳ないじゃ
ないですかぁ」
ペンダントを握り締めながら
棒読みな台詞を言うイルに
フィアロアまで胡乱気な視線を送る。
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