47話 走れ!ドワーフを逃すな!
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東門を抜けると、荒涼とした
原っぱが広がっていた。
舗装はされてはいないが、
土が踏み固められた道を
三人は辿ってみるが…
平原は広がるばかり。
ドワーフの影も
集落らしい建物も見当たらない。
「困りましたねー!
もう日没間近なのに…一旦城へ戻ります?」
イルが腹をさすりながら眉を下げる。
「貴様は単に腹が減っただけなのじゃろう?」
フィアロアはそう、揶揄するが…
確かに陽が落ちては、
探すどころではないだろう。
引き返すか…と、
リーンが言いかけた時…
不意に風が吹き抜ける。
緑に発光する
鱗粉のような光を帯ながら
現れたのは、シルフであった。
「おお…!来てくれたのか!」
リーンは親しげにシルフに語りかける。
「あ!シルフ…
あの町にもいましたよね?」
「うむ、たまに、
こうして情報を届けに来てくれるのだ」
シルフは指を指しながら
リーンと何か話してるようだ。
イルやフィアロアには
聞こえない、不思議な言語を使ってるらしい。
そして、リーンは
イルとフィアロアに向き返り同じく指を指す。
「向こうにドワーフが歩いているらしいぞ!
走れば追いつくらしい!」
話し終える前に、
リーンは既に走り始めていた。
「うえ…走るのかぁ…腹減ったなぁ」
イルは不満を漏らしながら
のろのろと後を追う。
「さっさと走らぬか!
これだから痩せぬのじゃ!」
フィアロアはイルの尻を蹴飛ばし
そして、イルの背中に乗る。
「げっ⁈
フィアロア!なんだよ!自分で走れよう!」
「儂は疲れた…か弱い老人を労われ」
こんな時ばかり都合よく
老人とか言ってくる
フィアロアに文句を言いたいが…
とにかく先へ進まねば…
フィアロアを背負い、
更にふらふらとした足取りで
リーンを追うイルだった。
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