45話 オーフェンがいたらなぁ…
◇◇◇◇◇
翌日も王宮内は大混乱状態だった。
各地の解呪を得意とする
聖者を呼び寄せ、王の呪いを診てもらう。
執務官が聖者の受け付けをして
王宮内へ入れ、
侍女が聖者を部屋へと案内する…
臣下達が何かと走り回り…
こんな状況が、
民間に漏れない訳もなく…
「ミュランダに聞いたら、
やっぱり学院内でも、街中でも
王が倒れたって噂が上がってるみたいだね」
イルの話しに頷きながら、
リーンは窓の外を見る。
城の外には人が集まっている…
恐らく、記者…という者共だろう。
「オセ?王の呪いの解呪ができる聖者は…
見つかったのか?」
オセの顔色からは
芳しく無い様子が伺えるが、
リーンは一応聞いてみる。
「いえ…
かなり古く、独特な呪らしく…未だ、誰も…」
「儂らの仲間の…彼奴が
健在じゃったらのぅ…
ほぼ大抵の呪いは解呪できるのじゃが」
フィアロアは、言葉の端に
懐かしさを滲ませながら、呟く。
「残念ながら、
オーフェンもまだ、水晶の中だ」
かつての…勇者パーティの中の一人に
変わり者だが、優秀な聖者がいた。
リーンもまた…奴のことを思い出し
ため息を吐く。
「じゃあ、ドゥーイのアイテムは?
アイツ、変な物ばっか持ってたし、
解呪のアイテムもあるかも?」
イルの話しを聞いて
フィアロアは苦々しそうに言う。
「奴の怪しいアイテムか…
変な物しか無かったと思うがの…」
ドゥーイは、同じくかつての仲間で
リーンにドワーフ族を通じて、
色んなアイテムを提供している。
勿論…当人は水晶に封じられているのだが。
「しかし…ここで皆でただ唸っている時間も
惜しいな。この地でも…
ドワーフ族に会えば、何かアイテムを
提供してくれるかもしれないしな」
ブレイブダンジョンの町での
アーファのように…
まだ、ほんの数日しか経ってないが
何故か懐かしく思うリーンだった。
「賛成です!
可愛いドワーフの女の子に
会えるかもしれないし!」
「女好きも大概だのぅ…モテないくせに」
嬉々として賛成するイルに対し、
フィアロアがツッコミを入れる。
「フィアロア…
そんなだから童貞なんだよ…」
「きっ、き、き…貴様あぁ!
今度こそ豚の丸焼きにしてやる!」
ちょっとだけ前世のリーンにも響く
言葉があったが、聞かなかった事にし…
リーンはオセの方へ向く。
「オセ、
我々は少し外出しても良いか?
何かあれば、すぐ使いを出して
報せて欲しい」
「はい!
私も同行したいのですが…
やはりお留守番、ですよね?」
「こんな時だからな…
王の容体も気になるし、
魔王の動向にも気を抜けぬ…」
「分かりました…
王都のことは任せてください!」
少し寂しげに三人を見送るオセを背にし、
リーンは、タンコブを頭に生やした
イルとフィアロアを引きずり、城を出る。
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