43話 フィアロア、顔が赤くなって青くなる
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「な、長い地下階段だね…」
一行はオセに続き地下へ降りる。
王しか侵入を許されない…
というのは、オセが決めた事で…
リーン達は掟の概念の外の存在だ。
何故ならこの地下の先は
リーンにも馴染みの場所だからだ。
地下深くに何があるのか?
そこには…
イルもつい最近、己の目で見た
ことのある…
巨大な水晶が鎮座していた。
「おお〜!フィアロアだ!懐かしいなぁ!」
水晶の中には、リーンによって封じられた
フィアロアの本体が当時の姿のまま…
時を止めていた。
そして…
その姿を、うっとりと…
まるで夢でも見るかのように凝視していた
霊体もいた。
「ミュコフ!!」
オセは名を呼んだ。現王の名だろう…
オセにとっては、幼少の頃から知っている
子供のような存在なのだろう。
『オセ様…?いらしたのですか…
でも邪魔を…しないでください…
私はもう、ずっとここで…
愛する人を眺めていたいのです…』
妃を娶らず、
出来てしまった子供の存在も認めず…
ただ、らひたすら
一途を貫こうとする現王の想い人とは…
水晶に封じられている、この…
黒髪に、血のような赤き瞳が美しい…
フィアロアだった。
イルは開いた口が塞がらず、
リーンは胡乱気な目をし…
そして、フィアロアは…
「なっ…!きっ…きっ…きさ…」
「フィアロア?
顔が真っ赤になったり
真っ青になったり…忙しないな?」
イルは完全に他人事だと面白がる。
「落ち着け、フィアロア。
今…あの王にキサマの事が
知れたら…それこそ面倒ではないか?」
リーンが冷静に指摘する。
「う…ぐぐ…」
フィアロアは、この
無礼千万な子孫への怒りを
やっとのことで収め…リーンに飛びつく。
「儂は永久にリーン様一筋なのじゃ!」
と、リーンの胸に顔を埋める。
「離れろ!このハゲ!」
イルはフィアロアを引っぺがしながら…
なんだかんだ、
似た者血族なんじゃないかと思うのであった。
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