41話 父との哀しい確執
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一行が足早に歩く先に王城が見えてきた。
絢爛豪華…というよりは
質実剛健な佇まいの建築様式で、
歴代の王家の人間の
人柄も表しているようだった。
「ミュランダも一緒に来るか?」
オセは、城門前で立ち止まった
ミュランダを振り返り穏やかに尋ねる。
「え⁈
養女の私が…お義父様に会いに行っても…
いいのですか?」
ミュランダは驚いたように手を胸にあてる。
自分は父に疎まれている。
子供の頃から、それは…周知の事実だった。
王の養女…
つまり、血の繋がりの無い子。
公では、そのような触れで通っている自分。
王の温情で養女として、保護されている…
そのように、世間では浸透しているが…
実際は、実子なのだ。
だが、王がその事実を認めようとしない。
気の迷いで…
移民の遊女との間に出来てしまった自分…
遊女の母は…美しい黒髪だった。
父は幼い頃から
心に想っている人がいると言う。
ずっと…
その想い人一筋で、当然…
他の者と結婚もする気は毛頭無いらしい。
気やすめに遊ぶことはあっても…
母の黒髪は…父の想い人の髪色と
似ていたらしいが…
瞳の色は違うと、我に返った父は
母と自分を遠ざけた。
侍女長や、臣下…または
オセ様の説得で、私は養女という肩書きで
辛うじて縁を繋いでいたが…
「私は…年に一度くらいしか…
お義父様との面会を許されて
いない身で…大丈夫なのでしょうか?」
ミュランダは暗い顔で俯く。
オセは、そんな彼女を
気遣うような、優しい眼差しで見つめる。
父に疎まれながらも、
彼女は一心に父を慕っている。
母の亡きあと、唯一の肉親だから、
でもあるのだろうが…
直系の王族が継ぐ…
その、赤みがかった瞳が…
倒れた父への心配から揺れ動く。
「大丈夫、
私が良いというのだ。
王の意識が覚めても文句は言わせんよ」
オセはそう言い。
ミュランダの頭を優しく撫でた。
「すみません…
皆さまも…お付き合い頂けますでしょうか?」
「うむ、我も
詩人の存在は気になるからな!
ギルドへ行くのは後でも構うまい」
一行は王の居室へと急ぐのだった。
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