34話 王立フィアロア魔導学院
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オセが話しを躊躇する
新王のことは、気にはなるが…
とりあえず一行は
ギルドを探すことを優先して
歩き続けていたのだが…
気付けば、商店街や住居区を
抜け…
街の外れまで来ていてしまっていた。
「あれぇ?
端まで来ちゃった?建物なんにもないね?」
イルが辺りを見渡す。
しかし、同時にリーンが腕を伸ばし
指し示す先には…
「いや、あの先に大きな建物があるな?」
街路樹が整然と並ぶ先、
公園のような少し開けた空間の
更に先に…
大きな建物が木々に囲まれた
形で建っているようだ。
「大きな建物だなぁ…
でも、王城なんじゃない?」
イルが目を眇めつつ、
かなり先の建物の様子を伺っていると…
オセが会話に入っていた。
「いえ、あの建物は城ではなく…
多分、
王立フィアロア魔導学院だと思います」
あまり街中のことは
詳しくない、らしい…
オセだったが…
歴史的な王立の建物については、
最低限、知識はあるらしい。
「魔導学院?学校ってこと?
凄いなぁ、王都では魔術の学校もあるのかぁ」
イルが関心そうに言えば、
フィアロアもキョトンとしながら続く。
「ほほぅ?
儂の名がついているようじゃが…
設立した覚えのない建物じゃ!」
「後世の王族が
フィアロア様の偉業を称え
設立したようですよ」
まさか後世の王族も
フィアロアが現代まで
生きているとは思ってもみないだろう。
そう思いながら、オセは苦笑いする。
王都の民達も同じだ。
およそ八〇〇年前…王位を
弟に譲り、世界の平和のために
魔王討伐へ行った勇敢な初代国王が…
魔王によって闇落ちし、
仲間の手で封印され…
今もなお、王城の地下で眠っている…なんて。
この秘密は、
同時を知るリーン達とオセ、そして…
代々王位を継承した者にしか
伝承されてないのだ。
「ふん…
儂のことなぞ、
今の民らは知らぬのじゃろうな」
「フィアロア?
でも、暴君だったとか…後世の人に
思われてなくて良かったじゃないか!」
「貴様…!」
またイルがフィアロアに
ちょっかいをかけ、
二人の漫才が始まりかけた。
…本当にどこまで仲良しなんだ、と
リーンは笑い出しそうになるのを堪え…
「ここら辺にギルドは無さそうだ…
ほら、引き返すぞ!二人とも!」
引率の先生と化したリーンは
二人の襟首を掴み、
来た道を引き返そうとした時…
前方から、魔導学院の生徒らしき
一団が歩いてきた。
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