31話 フィアロ国の禁色とは?
◇◇◇◇◇
「…初代国王、
フィアロア様の御髪のお色が黒でしたので…
国民は皆、尊色として崇めているのですよ」
イルは眼下の禿げ頭を見る。
「あ!!そうか!
フィアロアって昔は髪…黒かったっけ?」
「誰が禿げじゃ⁈
この姿は失敗したコピー体だと
言っておるじゃろうが!
今でも本体は若くて髪もフサフサじゃ!」
フィアロアはイルを足を踏みつける。
「痛ぁ!
まだ僕、禿げとか言ってないんだけど…」
イルが発言して無いことまで
弁明するあたり…
フィアロアなりに今の容姿を
気にしているのだろう。
しかし、不意にその姿が歪みだし…消えた!
「え⁈フィアロア⁈」
突如消えたフィアロアに
驚くイルだったが、
オセの近くから、フィアロアの
しゃがれた声がする。
「街の門を潜るまでは、
儂は暫し隠れる、
通行許可証が儂には無いからのぅ」
どうやら、フィアロアは
変身を解き、オセの髪に隠れたらしい。
「私は王族用の特別な身分証を
持ってますから…
門を潜ることは問題ないです
…お二人は?」
少し心配するように
リーンとイルを伺うオセだったが。
「うむ、
我はこの冒険者タグがあるからな、大丈夫だ」
と、リーンは虹色に輝く
タグプレートを取り出した。
このタグプレートは、
世界共通の身分証ともなるのだ。
「じゃ僕も…この虹色のタグプレートで!」
自慢気にイルは
前世の頃のタグプレートを取り出すが…
リーンの杖で頭を小突かれる。
「今世のキサマのタグは
冒険者レベル5のタグプレートだろう?」
現実を容赦なく突きつけるリーン。
「ぷっ…冒険者レベル5…とな」
オセの髪付近でしゃがれた
フィアロアの笑い声が聞こえる。
イルに睨まれたオセは、
気まづそうに目を泳がせ、先を誘う。
「さ、さぁ、皆さま…
門を潜りましょうか!
行きましょう、行きましょう!」
そう言って、率先して門へ向かう。
門番の衛兵に三人は
それぞれの身分証を提示し、
許可を得て、街中へ入ることとなる。
同時に門番へ、族の件も申し送りした。
リーンが冒険者という事もあり、
別段、聴取される事なく受け入れられたのは
幸いだった。
ただ…
リーンの虹色のタグプレートを
見た衛兵はひどく驚いた表情を
していたことを除いては…だったが。
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