30話 フィアロ国へ到着
◇◇◇◇◇
「いやぁ、でも、アレだね!
弟さんに王位譲って正解だよね!」
「どういう意味じゃ?」
「フィアロアがずっと王様やってたら…
国民が恐怖執政で可哀想だったかも」
「この…!!無礼な白豚が!
やはり豚鍋にしてやる!」
またも、イルは余計なことを言い、
フィアロアに叩かれる。
この二人、
延々と漫才を繰り広げているな…と、
オセは苦笑いする。
「でも…
フィアロア様の英断の甲斐もあり、
現在でも我が国は、
フィアロア様の血族が王政を執り、
こうして栄えているのですよ」
オセは上品に微笑み、
フォローをする。
「それに、この王都に鎮座する
四体の石像も…
今では、民達の守護者として
シンボル的な存在になっているのです」
オセはそう言いながら
リーンを少し見て微笑んだ。
オセなりの気遣いなのだろう。
リーンは頷き、石像を仰ぎ見る。
フィアロアは優秀な配下を持ったものだと
リーンは関心していた。
八〇〇年前…
あの石像らは召喚されたが…
封印は健在で、
今日まで…なんとか無事に
王都は守られているらしい。
オセや…跡を継いだ王族らの
働きの賜物なのだろう。
リーンとフィアロアは…
複雑そうな心持ちで街を眺めていた。
◇◇◇
さて、三人は森を抜け
いよいよ、王都へ入る為に
街門前まで来ていた。
「すみません、暫しお待ちください」
そう言って足を止めたのはオセである。
オセは腰元の雑嚢袋から、
ローブを取り出し頭から被る。
「どうしたの?
変装しないと、ダメなの?」
イルは心配そうにオセを見る。
「なんと言いましょうか…
私の髪色が問題でして…」
オセは少し困ったように、
自身の美しい、黒髪を手で弄ぶ。
「ええと…黒髪は、
現在では、禁色となっているのです
私も偶然黒色なので、
街の中では目立たないように…と」
黒色の髪が禁色…?
リーン、イル、フィアロアの三人は
揃って首を傾げる。
◇◇◇◇◇




