21話 謎の老人の唯ならぬオーラ?
◇◇◇◇◇
イルは、
立ちすくんでる老人に
適当に拾った木の枝を渡し、
老人を庇いながら剣を構える。
あれ?
でも、この爺さん…
オセちゃんの髪から変化したらしいし…
人間じゃないから…
庇わなくていいのかな??
そんなことを考える
イルだったが…大事なことを思い出す。
先ほどの騒動の時に…
既に今日の分の
ペンダントの効力を使ってしまったのだ。
「つまり、今の僕は…ただの小太りなデブ…」
何か文章がおかしい?
いや、それより自分で悲しく
なることを言うな!
雑念を払いのけ、
剣をきつく握り直し
改めて周囲の状況を見渡す。
リーンとオセは
二人で寄り添い、警戒しているようだ。
鬱蒼とした森から、
人影がゾロゾロと現れる。
ざっと見て、十人前後か…
盗賊だろうか?
…それにしては、身なりが
やや整っているように感じる。
どちらかと、言えば…
街中にたむろする、
はみ出し者…といった感じに見える。
「かなり上物の女二人もいるなぁ」
「お楽しみもいいし、奴隷商に
売っちまうのもいいよなぁ」
下衆な会話が聞こえる。
大切な人に対する、この様な
無礼な発言は許せない…
「そんな事、僕がさせないぞ!」
イルは目の周りが熱くなり
剣を大振りに振り上げ攻撃を仕掛ける。
何振りか空振りを繰り返した後…
ガツン…!
剣が急に動きを止めた。
「あ〜ん!
剣が木に刺さって抜けない〜」
既視感が過ぎる。
情け無くて思い出したくもないが…
「何だコイツ?見た目とおりの
雑魚じゃないか」
族共は呆れて笑い、
目当てのリーンとオセを取り囲む。
「リーン様⁈」
イルは剣を手放し、
リーン達の元へ駆け寄ろうとしたが、
イルの腹部に衝撃が走る…
族がイルの腹を拳で突く。
「うっ」
「お前に用は無いんだよ」
絶対絶命の状況だった。
そんな状況をしかし、静かに笑う者があった。
「ほっほっほ…
イルよ…なんと情け無い姿じゃのう」
老人は独特な気迫を纏いながら、
渦中へ進み出る。
◇◇◇◇◇




