20話 しゃがれ声の正体とは?【挿絵付き】
◇◇◇◇◇
「あの声は誰だったんだ?」
三人が首を傾けている時…
オセの髪の毛の一本が、モゾモゾと不意に動き出す。
「⁈…んっ⁈」
動いたと思ったら一本が抜き取られ、
僅かな痛みに小さく声を上げるオセだったが…
オセの、その一本の髪の毛は
まるで自我でも宿ったかのように、
ふわふわと宙を漂い、
…やがて、ポンっと、突如、人型に変化した。
「う、うわぁぁ⁈何だこれ?」
「きゃあ⁈私の髪が⁈」
「妖怪か?」
三者三様に驚き、
変化した人型から遠ざかる。
「ほっほっほ…人聞き悪いのぅ…」
三人が注視すれば…髪の毛が変化した人型は
小さな老人の姿をしていた。
「じ、爺さん??あんた…どうして髪から??
…てか、誰?」
恐る恐るイルは老人に近づき、話しかける。
イルも小柄な方だが、
老人の身長はイルの半分ほどしかなかった。
頭部は見事に禿げ、
代わりに白髪となった眉は長く、顔に垂れている。
皺が深く、瞼は垂れ下がり
目の動きを読み取ることはできない。
ともすれば、
東方に伝わる仙人のような出たちだった。
足腰が弱まり、支えがないと辛いらしく
杖のようなものを探している様子を察し、
「爺さん、ちょっと辛そうだな?
杖になる棒とかあるほうがいいよな?」
イルは辺りを見回し、適当な棒切れを
探してやろうと、屈んだ時…
ビイィィィン!
イルが屈んだすぐ近くの木の幹に矢が突き刺さった。
「うわぁ⁈」
しゃがみかけたイルは驚きながら、転げてしまう。
目の前の木に何か鋭い物が刺さったぞ?
…と、目をやれば…
それは一本の粗雑な矢だった。
「なっ…⁉︎」
イルは改めて驚き辺りを見渡す。
「イル!襲撃だ!」
リーンの声が響く。
今日は本当に忙しい日だ!
魔獣の次は野党か??
本当にもう、次から次へと…!
イルは気持ちを切り替え、戦闘体制に入る。
◇◇◇◇◇




