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17話 魔の襲来の気配

◇◇◇◇◇



時折り森に吹き抜ける風と、


木の葉から漏れる光りを

感じながら、暫しの休憩は有意義に過ぎ、

出発を開始する。


イルは惜しみながらも

敷き布をしまい、旅の荷袋を

背負いこんた時である…



「むっ⁈」



リーンの息を飲む声に

イルもまた、何かを感じ取った。



「…何か…いますね」



まだ、遠くはある。

しかし…

着実に近づいてくるのだ。



「油断するな…なかり…早い」



その何か…は、

かなり早い速度でこちらへ

向かって来ている。


よもや、我らに用がある訳では

ないだろうが…


遭遇戦になれば面倒だ。



「この気配…明らかに人間ではない」



イルは先ほどの弛緩した和やかな

表情とは打って変わり、

眼光鋭い戦士の顔になっていた。



「獣?…いや、魔物か?」



リーンもまだ見えぬ存在へ睨みを効かす。


そして、リーンの憶測に

軽く首を振り、イルは判断する。



「魔の領域の者…悪魔の系統ですよ!」


「魔の領域の者…魔王の手先か⁈」



リーンの眉が険しく吊り上がる。


魔の者の距離はどんどん近くなる。

明らかに我々に気付いているのだろう。


イルは前世からの愛剣を鞘から引き抜く。


小柄で小太りな体型であるが…

剣を構える仕草は歴戦の戦士のような

圧を感じさせる雰囲気を漂わせている。



「…強力な魔素を感じる…

イル!気を抜くでないぞ?」


「ええ…かなり強いですね!」



森の先を睨みながら、応じる

イルは…しかし、不敵な笑みを

顔に湛えていた。



「まあ、強いといっても…

全力の僕の強さの100分の1くらい

ですけどね〜」


「冗談を言ってる場合ではないぞ」



リーンの淡白な返答に

イルは心外だとばかりに、

反論しようと口を開けたが…



「イル!」



リーンの鋭い声にイルはすぐさま反応する。


魔の者の移動速度は速く、

もう、すぐそこまで迫って来ていた。


巨大な黒い獣形の姿だった。


ネコ科に近いその容姿は、

猫より二十倍は大きいだろう。


人間の頭なら丸齧りされそうだった。

牙や爪は言うまでもなく、刃のように鋭い。


雰囲気をみるに、

術などで攻撃するタイプではないと

予測したイルは、


先制攻撃とばかりに、

素早く、アーファから贈られた

ペンダントを手に取り、前世の姿に変わる。



「この一撃で仕留められないと

ヤバいことになりますからね」



白金の長い髪を揺らし、

長い手足には、

程よくしっかりとした筋肉を

浮かび上がらせ、


愛用の剣を構えながら、

閃光迸る光速剣を叩き込まんと

振り上げる…


一方、

魔の領域の黒き獣も、

一足で跳飛し、イル目掛けて

飛びかかる…


が、そんな刹那…



「やめい!!」



停止を示唆する

しわがれた声が森にこだまする。



◇◇◇◇◇


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