136話 珍しくオセが茶目っ気出す
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「私、もしかして分かったかもしれません」
図書館からの帰り道、二つ目の細工物も見つかり、
皆は一様に、気持ちも少なからず軽くなった心地で
歩いている時だった。
オセが珍しく、ウキウキとした明るい口調で口を開いた。
「どういう事だ?オセ」
リーンは首を傾げるが、
オセは人差し指を立て、微笑みながら続きを言う。
「あの地図にある星マークの事です!
最後の三つ目の場所…分かったかもしれません」
「ええ⁉︎ 凄いね、オセちゃん!」
「〜!〜!」
「ほう?それは興味深いな」
イルと小悪魔も顔を輝かせる。
茶目っ気のあるオセが珍しいと思いつつ、リーンも微笑ましい心地で話しに乗る。
「して、オセ?…その場所とはどこじゃ?」
イルに背負われながら、うとうとしていた
フィアロアも起き出し、オセに尋ねる。
「ふふふ…それはですね…」
皆に見つめられ、少し照れながら口を開くオセ。
一行はオセに注目しながら、和やかに道を進む。
…そんな一行を、厳しい目つきで視界に入れていた人影があった。
気配を潜め、人混みに紛れ…
気付かれぬよう、慎重に距離を取っているようだ。
その視線は、一行が宿屋に入るまで執拗に追い続けていた。
「…あの宿屋…ね…」
地味な色合いのローブを、体を隠すように全身から纏っているが、そこから見え隠れする素足や胸元からは、中の衣装が派手で扇欲的な服装だと伺える。
その者は…先日、騒ぎを起こした、
処刑人の女で、間違いはないだろう。
女は、手元を見つめる。
それは、指に絡まった白金色の髪の毛だった。
あの少年に近づいたのは、この髪の毛を入手する事が目的だった。
「…これと、主様から頂いた鈴を使えばいい」
入手した白金色の髪の毛に、女の魅惑的で形の良い唇が触れる。
愛撫にしては、その目つきは余りに穏やかではない様子だが。
処刑人の女は、唇を歪めながら吊り上げ、
宿屋を一瞥し、その場を立ち去るのだった。
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