135話 図書館に秘められた仕掛けとは?
◇◇◇◇◇
リーンも声が大きくならないよう、気をつけながら話す。
近くを通った時は違いに気付かなかったが…
遠目でランプが並んでいる状態で見て、初めて気付くだろう。
整然と室内の窓際に並べ設置されているランプだったが…一番奥のランプの位置だけ少し上に設置されていた。
ほんの掌分ほどの誤差だが…
並んでいる状態を遠目で見れば違和感は感じられる。
小悪魔と共に一行は奥のランプまで行く。
…すると。
「ランプのすぐ下に薄い溝があるな?
…それ以外は…特には…」
昨日の噴水の装置と違い、簡単に開いたり動く感じでは無いようだ。
小悪魔も懸命にランプ周囲を触りながら、
ふと、思いたったようにゴソゴソとポーチ(オセが手作りしてくれた)を漁り…
昨日入手した細工物を取り出す。
「〜!〜!」
何かを説明するかのように、小悪魔は細工物を手に取り頷く。
そして、徐にランプ下の隙間に細工物を差し込む。
カチリ…
隙間に見事にハマった細工物が入った時、
ランプの奥から何かが開く音がした。
「なるほどのぅ…この細工物、鍵じゃったのか」
フィアロアもイルの背に登りながら
ランプをまじまじと見つめた。
細工物を隙間から抜けば、ランプごと扉のように開き、奥に小さな空間が現れる。
「凄い仕掛けですね!」
オセも感嘆する。
…小さな空間の中には…
やはり、昨日と同じような細工物が収納されていた。
リーンはそれを取り出し、布に巻いて小悪魔へ渡してやる。
小悪魔は嬉しそうに、礼を言うように頷き
昨日の細工物と共に大事そうにポーチへ仕舞う。
「ふぅ〜!今日の探索も大成功だね!
いやぁ、僕の着眼点の素晴らしさが功を奏したな〜!」
「どちらかと言えば、司書がランプを点けてくれたからじゃないかのぅ?」
いつもの、イルとフィアロアの漫才が始まりかけた時…後ろからそっと声がした。
「貴方方が初めてですよ…この秘密を知ったのは…」
穏やかな声…先ほどの初老の司書だ。
「勝手に申し訳ない…だが、少々事情があり…
この細工物を暫く借り受けできないだろうか?」
リーンは実直に司書に話しを持ち掛ける。
「この仕掛けは…私の古い友人が施したものです…ここへ辿り着くという事は、ご縁があるという事なのだと思いますので…
私から否という事はありませんよ」
司書はそう言い、承諾の意を伝える。
仕掛けのランプを見て、
少し寂しそうに微笑みながら。
「これを仕掛けた友人は今はもう、いません…
どこへ行ってしまったのか…」
そんな寂しそうな司書に色々話しも聞きたかった…しかし、万一…この仕掛けに纏わる事が原因で事件が起きるとも限らない…
巻き込む訳にはいかないだろうと…
全てが解決して細工物を返しに行く時…
この司書と改めて話しをしてみようと、
一行は、静かに図書館を後にするのだった。
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