134話 イルの閃きピカー!
◇◇◇◇◇
館内の司書に許可を貰い、
本棚から離れた場所のベンチに座り、持参した水筒で喉を潤す。
「はぁぁ…お茶飲むだけでも生き返る〜」
イルがゴクゴクとオセが持参した茶を飲み干す。
「室内…結構埃っぽかったですもんね」
オセは甲斐甲斐しく他の者にも茶を差し出しながら言う。
「ほら、フィアロアも飴舐めときな!」
「…ん」
「それにしても…八割ほどは本棚も調べたと思うが…それぽい装置はないな…」
リーンはオセから差出された茶を一息で飲み干し、未だ休憩も取らず本棚を調べている小悪魔を見た。
…早く手掛かりを見つけ出したいのだろう。
その想いにリーンも作業に戻ろうとした…
そんな時…
ボーン ボーン ボーン
静かな館内に音が響く。
「何だ⁈」
急な出来事に身構えるリーンだったが…
「町の端の時計台の鐘の音ですよ」
横合いから静かな声がリーンの疑問に答えるように聞こえてきた。
「五の刻を報せる鐘の音です…
ここ数年は時計台の時計も壊れているのか、
他の時間には鳴らないのですがね」
声の主は…
穏やかな雰囲気の、初老の司書だった。
「なるほど…今まで気付なかったな…」
窓の外を見れば陽も大分落ちかけている。
いつもこの時間は、人混みの場所でバタバタしていたからだろう。
かなり静かな図書館だからこそ、音も響いたのだと納得する。
そんなリーンの横を通り抜け、
司書は暗くなり始めた室内にランプの火を灯そうとしていた。
室内の壁に設置してあるランプに、手際良く火を付けていく。
イルもまた、ベンチに座りながら休憩が終わるのを惜しむように、ランプに灯された明かりを見つめていたが…
不意に立ち上がり、声を上げる。
「あっ…!!」
思わず大きな声になってしまったイルは口に手を当て申し訳ないと司書に謝り、
そして仲間達を手招きした。
「どうした?」
イルは怪訝な顔のリーン達にだけ聞こえるような小さな声で言う。
「ランプですよ!
…見て下さい、一番端のランプの位置」
室内の一番奥の壁に設置されているランプを
皆は振り返る。
一見しても分からないだろう…
しかし、休憩していたこの位置から、
奥のランプを見てみた時…違和感に気付く。
「あ…そうか!ランプの位置か!」
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