132話 十字の瞳孔の赤い瞳の人を抓り朝が始まる
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夜明けの白光が窓を通して、
イルの視界に降り注ぐ。
七色に帯びる清き光は、イルを眠りから覚醒させる効果は抜群にあった。
隣りで未だ爆睡するフィアロアの弛んだ頬を思い切りつねり起床を訴える。
「ほら〜!フィアロア!朝だぞ〜!今日も探索行くんだぞ!起きろ〜!」
…全く。
一人では寝つけないフィアロアは枕を持って、いつもイルの布団に潜り込んでくる。
「にゃんら⁈」
頬をつねられながら起きたフィアロアは、
やはり不機嫌だったが…
イルはフィアロアの十字の瞳孔に真紅の美しい瞳を見れて満足気味な様子なのだった。
二人が部屋から降りて食堂へ行けば、
リーン達はすでに席についていた。
「もう、キサマらの分まで用意してあるぞ?」
リーンが茶を啜りながら席へ促す。
テーブルには既に数種類の焼き立てパンが籠一杯に並べられ、スクランブルエッグには厚切りハムまで付いていた。
ほうれん草とクリームのスープを冷ましなかまら飲み、フィアロアの分までパンを取りながら
イルは幸せそうな顔をするが…
不意に小悪魔と目が合う…物欲しそうな潤んだ目つきで見られると…どうにも、罪悪感が湧き上がってしまう。
「うぅ…分かったよ!早く食べるから…
早めに探索に出掛けよう!」
そう言ってイルは朝食を掻き込むのだった。
宿屋を先頭きって出た小悪魔は、地図を持ちながら、先を進む。
「こらこら、気をつけて進めよ?
昨日の…処刑人が来るかもしれないからな」
リーンは注意深く周囲を睨みながら、小悪魔の後を追う。
オセも背後を気にしながら
後方から付いて行くが…
イルとフィアロアは小悪魔と一緒になって、
地図を読み解くべく目印を探して探索を楽しんでいるようだった。
「ふむふむ…今日は西の方の星マークが目的だね?昨日より…道が分かり易い感じだなぁ」
昨日は、小さな商店街の立ち並ぶ場所を通って行ったが…今日はメインの大通りを歩いていく。
「道幅も広い分、目立ちそうだな…」
リーンも昨日の女処刑人を気にしているのだろう。
小悪魔から目を離さないよう、一行も慎重になって探索する。
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