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117/126

117話 魔王出現⁈


◇◇◇◇◇



はぁ、はぁ…と、吐き出せない息継ぎをし、

その者…裏切りの部下は我武者羅に走る。


目指すは町のギルド!


伝えなければ、ならない!

この町の危機を…


先ほど、女主から下された冷酷な決断…


近々、町の人間達は殺される!


止めなければ、ならない!

そんな事、そんな非道、許さない…

その者の心は正義に燃えていた…


だが…


キャアアァ…⁈


悲鳴が上がる

その者を目撃した町民からだ。しかも次々と!



「キャアアァ⁉︎ な、何あれ?」

「あ、あれは…」

「黒い羽…残逆そうな相貌…こ、これは!」

「あ、あれは…魔の者…じゃないか⁈」



恐怖し、混乱した町民らが遠巻きにその者を

囲む。

無理も無いだろう…


その者の容姿は、到底人間には受け入れられないものだった。


全身を覆う黒い姿、頭には鋭い角が生え。


醜く細い目元には濁った紫の瞳…

あろう事か、背には蝙蝠のような汚らしい羽を生やし、尻には鞭のような尻尾まで揺れていた。


どう見ても悪魔である…

醜く、おぞましい…


そんな者が町中を走っているのだから…

騒然ともなる。



「だ、誰か…この悪魔を退治して…」

「そうだ!ギルドの冒険者を呼ぼう!」

「助けて…ま、ま、魔王に殺されるー!」



口々に町民はその者へ罵声を浴びせていく。

悪魔…から、次第に魔王…と呼ばれ、事がどんどん大事になっていく。



その者は首を振った!必死で…



『違う…!そんな事より、大変なのです!

皆さん、逃げて下さい!

近々…この町は襲撃されるのです!』



必死に訴えた…叫んだ…声を…声…を…

しかし…

声を上げる事はできなかった。


その者は、ハッと気付き…愕然とする。


己の口元に手を当てる…

醜く大きく裂けた口は…だが、キツく縫い合わされていたのだ。


こうなっては、声を出せない…

いや、元々…声を出せず、文字も書けず…

己を表現する事を禁じられるのを条件に

この世界へ召喚されたのだ。


悪魔召喚…


召喚主に絶対の服従を誓う為に、施される

儀式でよく使われる手法だ。


今のその者は…外部の者と意思疎通ができない

そういう制約に縛られていた…


…それでも、その者は訴える。

身振り手振りを使って!



『皆さん!お願いです!気付いて…』



声にならない声は…


だが、

冒険者の登場で徒労に終わる。



◇◇◇◇◇


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