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115/122

115話 少女達にとっての勇者とは…


◇◇◇◇◇



「もう、出立されるのですか?」



東の地平が仄かに白み始めた頃だ。

まだ空には星が瞬き、輝きを競っている。



「うむ、ダルムの町の捕まった魔王の事…

真相を確かめねばならぬからな」


「そうですか…遠く無いとはいえ、道中どうぞお気をつけください」


「世話になった」


「ご飯美味しかったよ!」



リーン一行は、村長に挨拶を済まし背を向けかけた…そこへ…



「皆さん!」



少女冒険者らが駆けつけた。

寝起き間もないのだろう、寝癖もそのままに。



「もう、出発するんですか?」


「うむ、急ぎでな…

世話になった。養生して傷を治せよ?」


「はい!…ありがとうございます」



そうして、

今度こそリーン達は背を向け歩き出す。

…と。



「あのっ…!

皆さんは…本当に、ただの冒険者なんですか?

…あの時の…魔法は…?」



去っていく背中へ向け

少女が言葉を投げかけた。


少女らは、道中…この事を

何度も聞きかけては口をつぐんでいた。

…あの超絶魔法の事は、口に出してはいけないのではないかと…


彼らは…本当は…何者なのか?



「…さぁのぅ?」



チラリと振り向き、

フィアロアは冷たく反応する。

それをフォローするようにイルが声を掛ける



「今度、白の聖者に会ったら…

お前のファンが居たよって、伝えとくよ」



ニッと、笑ったイルは、フィアロアを背負い

歩き出す。


二人は歩きながら、何か言い合いをしているようだったが…やはり少女らの目には、

仲が良い二人だと映っているようだ。


東の地平から陽が昇り始めた。



「…では、な」



リーンが最後に立ち去る。

銀の美しい髪を光に染めさせ

少女らに微笑み、…そして背を向けた。



「…!!…」



その女神のような美しさに

少女らはもう何度目か?見惚れる。


彼らが何者かは…もう、どうでも良かった。

強く、美しい…命の恩人…


彼らこそが、自分らにとっての勇者だと…

そう確信した瞬間だっただろう。



◇◇◇◇◇


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