103話 やっぱりだけど、シルフやらかす
◇◇◇◇◇
シルフを先導とし、岩棚の複雑に絡み合った
道を進んで行く。
似たような地形、通路を幾つも通り過ぎ…
「本当、普通に迷路だよなぁ?
…ここ、さっき通ったような…
なんか…そんな既視感に襲われるよ〜」
フィアロアを背負いながら、既に疲れが見えてきたように、うんざり顔のイルはそうボヤく。
「グルグル回っているようじゃ…
儂は目が回った」
「確かにな…なんだか迂回してるような…」
確かな足取り(?)のシルフを追いながら、
しかし、イルの言葉に同意し、フィアロアやリーンも首を傾げる。
陽も随分と傾き、岩棚の土の壁面に落ちる
影が濃くなってきた。
「あ、あの…皆さま…」
暫く黙って歩いていたオセは、
最後尾から言いにくそうに、皆を呼び止めた。
「あの…多分、本当にグルグルと同じ所を
回っています…」
オセの控えめな声に一同は、ピタリと歩みを止めた。
「…考えたくは無かったんだけど…」
「やっぱりか…」
「…………」
「シルフー!!!」
リーンが叫ぶ。
何度も言うが、シルフは悪気が無い分、本当に厄介なのだ…
リーンに指摘されたシルフは慌てて辺りを伺っているようだったが…
涙目でふらふらと帰還して来た。
完全に迷子になったらしい…
「さて…どうするか?」
「もうすぐ陽が落ちそうですね…」
オセも心配気に空を見上げる。
あと、一刻もすれば辺りは闇に包まれるだろう。
ダルムへなるべく急ぎで向かいたいところなのだが…到着はまた延びてしまう…
それどころか、食料や水も不足の事態が起きかねない。
途中で物資を調達できる村などあれば良いのだが…この広大な荒野では、それも望めまい。
「やっぱり、僕が岩棚を一発ブチ壊して…」
「いえいえ!私が魔獣となって辺りを見て来ますから!」
オセが、変身し先行して行こうとしていた
時だった。
「た…助けて……」
◇◇◇◇◇




