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100/125

100話 荒野で野宿の楽しみとは?


◇◇◇◇◇



風によって長い年月削り取られて形成された

岩棚、大人の身長の何倍かは高い、その岩の下に背を預け、一行は休憩場所とした。


岩棚は少し窪みがあり、夜になって冷たくなってきた風を防ぐに丁度良かった。


皆で枯れ木を集め、火を焚べる。


夜の闇に鳴る風の心細さを、焚き火の光は

温かく包み込む。



「干し肉そろそろ焼けてきたかな?」



焚き火の光と同じくらい、心浮き立つのは、

肉の焼ける香ばしい匂いだ。


木の枝に刺した肉を火で炙り、

表面が良い具合に

焼けたところでイルは嬉しそうに持ち上げる。


熱々の肉を一口齧り付けば、肉汁の甘味が口に広がり昼間の旅の疲れも癒される心地になる。


イルはまだ熱いその肉に息をかけ少し冷まし、

隣りに座るフィアロアに差し出す。



「フィアロア、これ美味いよ〜!」



差し出さた肉にフィアロアも齧り付く。

服が汚れないようにと、主の首元に布巾をかけるオセ。

甘やかされているフィアロアに、リーンは口角を上げながらも笑いを抑え、

干し芋を火に焚べる。



「友がいるのは良いことだな…」



口の中でそっと呟くリーン。

熱々の芋を注意深く口にする。


イルとフィアロアのイチャイチャを対岸の事のように見ていたリーンだったが…



「リーン様!芋にチーズ乗せて食べたらもっと

美味しいですよ!」

「儂もチーズ芋食べたい」

「リーン様、ほら、お芋こぼしてます…口にも…」



どうやら仲間達の勢いは…こちらにも飛び火するらしい。


仲間達に構われるというのは…

存外悪いものでも無いのかもな…と…。


焚き火と焼かれた芋の温かさも、相まって

前世、傭兵だった頃には得られなかった

温かさを感じた。



「温かいな…」



体が随分と冷えていたのだろう。

この温かさが、心に深く染み渡る心地がした。



食事を終え、休息にする。


見張りを仲間内で交代し、浅い眠りを取り…

夜が白み始めた頃に一行は出発を始める。



「まだ…眠いなぁ

宿屋でぐっすりと眠りたいよ〜」



目を擦りながら、歩くイル。

フィアロアもイルに背負われながら、

うつらうつら夢心地になっている。



「地図通り、最短で歩ければ…

明日中にはダルムの町へ着けそうですよ」



二人に苦笑いを向けながら、

地図をもう一度、確認したオセだったが…



「あれ…?」



オセは、そこで困り顔になり固まる。



◇◇◇◇◇


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