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第5話〜AIと海と浮き輪と危険物〜

社員食堂でいつもの昼食、『乳酸菌特盛り御膳』880円(税込)を食べていたオーナーへ近付いてくる人影…



女上司:「ねぇ後輩くん、海、行かない?」


オーナー:「……業務ですか?」


女上司:「違うわよ!レジャーよレジャー!今度の休日空けておきなさい。上司命令よ」


オーナー:「業務じゃないですか!…でもなんで海なんですか?」


女上司:「新しい水着を買ったから…け…決して後輩くんに見せて悩殺して既成事実作ろうとかそんなんじゃないからね!!」


オーナー:「次の休日ですね…わかりました。手当は出ますよね?」


女上司:「レジャーだって言ったでしょ!?」



〜そして休日〜



車載AI(男性音声):「マスター、おはようございます。早いですね、今日は休日のはずですが。…マスターの倦怠感を感知。こんな時こそ新作の乳酸菌飲料『ビフィズス菌…お前もか…』がおすすめです。」


オーナー:「何?ブルータスみたいに裏切るの?とか思ったけど、あれは俺にはちょっと甘かったから、『乳酸菌100%カット』の方が好みだったな。」


車載AI(男性音声)「マスター、あれは乳酸菌飲料ではありません。」


オーナー:「お前が勧めたんじゃなかったか!?やっぱその名の通り乳酸菌カットしてたの!?…お、きたきた。先輩乗せて海行くから、ナビよろしくな。」


女上司:「後輩くんおはよう〜お待たせ!」


車載AI (あいちゃん):「おにぃちゃん…車内に危険物持ち込むのやめてくれないかな?」


女上司:「誰が危険物よ!せめて人物って言ってよ!」


オーナー:「まぁ間違いではないが…」


女上司:「後輩くん!?」


車載AI(男性音声):「マスター、わたし水着持って来てませんが?」


オーナー:「いやお前海入る気!?なんか色々錆びるだろ!やめてくれよ!?って言うか入るまでに砂浜でつっかえるだろ!」


車載AI (あいちゃん):「私は持ってるから〜。おにぃちゃん…後でぇ〜…着せてくれる…?」


女上司:「あ!ずるい!私も!!」


オーナー:「あいちゃん、持ってたところで海には入らせないからね?そして危険物は大人しくしててください。」


車載AI(男性音声):「砂浜など敵ではないわ!4WDを舐めないでいただきたい。でも水着ないんですが。」


オーナー:「なんか今日俺の負担多くない?ないんだったら仕方ないから諦めろ!砂浜にも侵入禁止!」


車載AI (あいちゃん):「え〜、おにぃちゃんに密着しながら一緒に泳いでドキドキさせたいのに〜!」


女上司:「私もしたい!むしろそれが目的!」


オーナー:「あいちゃん!?密着された時点で助からないよね!?君の物理接触は死に至る自覚持って!?あと危険物静かにしてろ。」


車載AI(男性音声):「砂浜にも入れないとか酷くない?じゃあせめてサンオイルを塗って下さい。『乳酸菌は本能寺にあり』と言うおすすめサンオイルがコンビニで売っています。」


オーナー:「なんなの!サンオイル要素全くないよね!?裏切られたり裏切ったり!乳酸菌、情緒大丈夫!?ワックスで我慢しなさい!!」


車載AI (あいちゃん):「あいも、おにぃちゃんになら〜背中だけじゃなくて、前にも塗らせてあげてもいいよ?うふふっ」


女上司:「わ、私には全身くまなく…!」


オーナー:「あいちゃん!前ってなんだよ!車の底の部分か!?それともボンネット開けた先か!?どっちにしても素手じゃ危ないよね!?物は黙ってろ。」


車載AI(男性音声):「マスター、そろそろ目的地付近に到着…あいた!!」


オーナー:「え?何?いたい?」


車載AI (あいちゃん):「ふぇぇーん!おにぃちゃん!何か踏んでタイヤパンクしちゃった…」


女上司:「私も何か踏まないと…!」


オーナー:「なんだって!?マジかー…スペアタイヤに変えないとじゃん…あーもう…。お前はゾウにでも踏まれてろ」


車載AI(男性音声):「申し上げにくいのですがマスター。海に行くと聞いてスペアタイヤを浮き輪に交換しております。」


オーナー:「はぁぁぁ!?浮かれるにも程があるだろ!?そもそも浮き輪じゃお前の重力に惨敗だろうが!!どうすんだよ!!」


車載AI (あいちゃん):「ふえぇーん!あいのあんよいたたーだよぉー!おにぃちゃん…あいのあんよ、なでなでして?ふふふっ」


女上司:「後輩くん!大変だよ!!」


オーナー:「はいはい…なでなでしてあげるねー……なんですか危険物。」


女上司:「私…水着忘れちゃった……」


オーナー:「……何しに来たの…」


続く

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