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アンチ・リンカネーション


私の名前は斉藤みゆき!

普通の高校生だったけれど、トラックに轢かれてしまいました!

とっても痛かったけど、気づいたら死んでいました!

でも、目の前に神様が現れて、

異世界に転生させてくれると言ってくれました!

しかも、自由自在に炎を操れる力もくれました!

まさしく主人公っ! この力でみんなを救うぞー! おー!!


「その奇妙な服装、お前は転生者か?」

「はい! 日本から来ました! どこかにギルドとかはありませんか?」

「そんなものはない。が、私についてくるといい。」


ギルドがない異世界なのかな?

みんな個人で世界を救おうと活躍しているのかな?

なんて思いながら白い服の人について行ったら、牢獄に入れられました!?


「あのっ!? 私なにかしましたか!?」

「転生者は全員、国家反逆罪の容疑がかけられている。

 しばらくそこでおとなしくするといい。脱走など考えるなよ。」


え、ええ!? ナンデそんなことに!?

というか国家反逆罪って、なにをしたらそうなるの!?

私はなにもしてないのにっ! 先に転生した人はなにをしたんですか!?


「鈴木コウスケ、これよりウソ発見器を使い貴様の審議をする。」

「は、はぁ……。」


目の前の牢に入っていた人が白い服の人に連れていかれました……。

もしかして、ここにいる人、みんな転生者なんですかね……?


「あの! みなさんはなんで捕まったんですか!?」

「なんでもなにも、なにもしてないのに捕まったんだよ。服装がどうの、どこから来ただのいろいろ聞かれたなぁ。」

「お前もか。ったく、せっかくハーレムでも作ろうと思ったのに……」

「ねぇねぇ、ここに来るまで街の人とか変な目で見られたんだけどさぁ、もしかして転生者、嫌われてんじゃねぇーの?」

「ああ、あり得るな。でもなんで?」

「さぁ……?」

「か、看守さん! 教えてください! 転生者の人って何をしたんですか!?」


遠くで腕を組み壁にもたれる看守の人は、私を睨みながら近づいてきた。


「何をしたか? 貴様らの同族が、魔王やその幹部になり、国を滅ぼしたんだぞ? 魔王を倒すといきがっていたヤツですら寝返り、奴らの手先にもなった。あろうことかソイツらとも関係ない奴が犯罪組織を立ち上げ今も世界をおびやかしているんだ。貴様らがどういう存在かは知らん、だが転生者である以上潔白はないと思え。いいな?」

「……は、はぃ。」


……思ってたより、やらかしてました。

でも、すぐに納得してしまいました。魔王になりたい人もいますし、

私と同じように力をもらって好き放題してる人もいるでしょうし……。

……もう! なんでそんなことをしちゃったんですか!!!


「斉藤みゆき、これよりウソ発見器を使い貴様の審議をする。」


牢が開き、私は白い人に再び連れていかれました。

……この世界の人たちは転生者が怖いってことですから、

悪い人かどうかを見極めるために、わざわざ逮捕したりしたんでしょう。

ウソ発見器で魔王とか犯罪組織の仲間かどうかを確認したうえで、

そういう人たちを何とかするための、

騎士団てきな組織に配属とかに入ったりするんでしょう!

なーんだ、ここはそういう世界でしたか!

何事かと思いましたが、そういうことなら納得です!


「到着だ。しばらくそこで待て。」

「は、は……い!?」


……ウソ発見器がある部屋に着いたと思ったら、

なんだかとっても大きな機械が出迎えてくれました。

周りの雰囲気も、研究所みたいに怪しい感じがするのですが……。


「斉藤みゆき、そこにある椅子に座り、楽にするといい。」

「わ、わかりました。」


街の雰囲気は中世ぽかったですし、

スマホもパソコンも周りには無いみたいですし、

これだけ作ってやっとウソ発見器が実現したとかなんでしょうか?

もっとこう、魔法の道具とかで判別するものと思ってましたが……。


私が椅子に座ると、たくさんの白い服の人が寄ってきて、

腕や足を椅子に縛り付けて、ヘルメットみたいなものを被せてきました。


「あ、あの、これ、本当にウソ発見器なんですか?」


目の前にいる、博士っぽい人に尋ねると、

隣にあった赤いレバーを、笑いながら降ろしてこう言った。


「もちろん、ウソだとも。」


私はその人に、いろいろ言おうと思った。

言おうと思ったけど、そのまえに痛みが体を走った。

すごく痛い。からだがねじ曲がりそうなほど痛い、痛い、痛い痛い痛い痛いいたいたいたいたいたいいたいたいたいたいたいたいたいたいたいいたいたいたいたいたいたいたいたいたいいたいたいたいたいたいいたタいたいたいいたいたいたいイたいたいたイタたいたいいたいイいたいたイタ______



「ア“ア“ぁ“ぁ“ぁ“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“あ”あ”!!!!!!!!!!」


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