NO,6 「卓也の励まし」
「お前って、夏美?」
「え、そうだけど……知ってんの?」
「太陽幼稚園でリス組だったろ?」
「あ、そうだー!久しぶり!何年ぶりだろ?」
「いやー懐かしいわー」
なっちゃんは、心臓病で入院している。
「雄大、ここの病室の人全員知ってんの?」
「いや、まだ」
「じゃあ、紹介するね。あっちの人が、直太郎。そっちが、健二。
あれが、勇太郎。」
「あれとはなんじゃ!あれとは!」
「あ、ちなみにこいつは怒りっぽいよ。」
「へぇ~。確かに、納得いく。」
雄大が言うと、勇太郎は言い返した。
「納得いくとはどういうことだ!ここは俺の見方をしろよ!」
「うひー、怖えー!」
「んぐぐぐぐぐぐぐぐぐ……」
「まぁ、ちょっと肩の力ぬきなよ。」
「あっ、あの人は亜由美。覚えれた?」
「直太郎、健二、勇太郎、亜由美…、全員覚えたぞ。」
「じゃ、とりあえず、」
「よろしく~」
全員が言ったあと、髪がまた抜けた。
「また抜けたー!」
「まぁ、しゃあない。俺だって……」
正也は帽子を取った。
「おぉー」
見事にすべての髪が抜けていた。
「いや、抗がん剤使っている人は皆こうなんだ。」
といった時、病室から誰か入ってきた。
「た…卓也……どうした……?」
卓也は髪の毛をすべて切ってきた。
「俺も同じだから、かんばろう。」
「た……卓也ぁ……」
雄大は泣き出した。
これが俺、卓也に出来る、全力の励ましだった。
1週間後、俺だけ病室に呼び出された。
「雄大君、ちょっと、話がある。」




