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NO,19 「さようなら」
「ん、雄大?」
「よ!卓也。久しぶりだな。」
目の前にはいつものような元気な雄大の姿があった。
「あれ、雄大…」
「いやぁ、さみしくてさぁ。ちょっと戻ってきた。」
「え?」
「あ、でもそろそろ行かなきゃ。」
「え…あ、待って。ちょ、ちょっと。」
「じゃあな。」
そう言い残して雄大は視界から消えてゆく。
「待って…置いていかないで……」
「うわぁ!」
俺は夢の中にいた。
「あんた、ずいぶんうなされていたよ。雄大がねぇ。
死んじゃったからねぇ。」
俺はまたあの瞬間を思い出してしまった。
「今日、通夜だって。」
「うん…」
もうあの雄大には会えない。
通夜に来た。
雄大の顔はただただ眠っているようにしか見えなかった。
すごく顔が綺麗で。
次の日、お葬式があった。
そして、火葬が始まった。
「さようなら…」
灰色の筒から吹き上がる煙を見ながら愛菜は呟いた。
もうあの雄大は笑うことも泣くことも何にも出来ない。
その帰り、愛菜は突然聞いてきた。
「人って何で死ぬんだろうね。」
「どうしてだろうね。」
何も返せなかった。
そして、明日から学校も始まる。
一番、いじめや、雄大に対する文句に愛菜は耐えられるのか。
それが気がかり。




