NO,12 「説教」
(なんだ、こいつ…。こいつのことならもっと粘ってくるような感じがするのに…。
俺が悪いって…あたしは悪くないって。)
「咲ちゃん、何言ったの?よっぽどなこと言わないと、こんなに怒らないわよ。」
「雄大がガンだってバカにした…。」
「何てことを!病気の人をバカにするなんて、酷いわよ。
そういうことは、人間としてやってはいけないことじゃない。
物事の判断は出来るんだから、もう少し考えてから物を言いなさい。
そういうのは、いじめとも言うのよ。」
多分、正直に言ったほうが、収まりが早いと思ったのだろう。
悪知恵働かせやがって…。と、思っていると晴美先生は今度は俺のほうを見た。
「あなたも、殴ることはないでしょう!怪我させたらどうするつもりだったの。
人を殴ったりしてはいけません。」
その通り。あの時は腹が立っていたから…。
「さぁ、二人ともこれからは気をつけるのよ。」
俺は心の中で返事をした。すると、晴海先生は怒鳴った。
「返事をしなさい!」
「はい…。」
「よろしい。」
俺たちは教室に戻った。
「なぁ、あっち行ったとき、何言われた?」
「何でもないよ…」
「何でもないことはないだろう。」
「だから、何でもねぇっつってるだろう!」
と、俺は知らないうちに拳を友達に向けていた。
(はっ!)
人に暴力はふってはいけない。俺は手を戻した。
「なんだよ。教えてくんねぇのかよ。」
俺は無視した。
「ちぇっ……」
セーフ。
俺は、給食の準備を始めた。




